海外不動産のメリット・デメリット

海外不動産のメリット・デメリット

  • Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日本は人口が減少していくと予想されているにも関わらず、建物の新築が続いており供給過多になってきています。テナントを誘致できず空室率が悪化してしまうと、有効な投資となりません。では、人口や経済が成長している海外で不動産投資をすると、どうなのでしょうか。海外不動産投資の特徴やメリット、デメリットについて話していきます。

海外不動産の特徴

海外不動産の特徴

 

海外不動産は、エリアによっては人口が急増しており、不動産の供給が不足していることがよくあります。同じ投資金額であれば10年後、20年後の価値が日本より高くなる可能性があります。

 

◎新興国の場合

ベトナムを例にとって考えてみましょう。ベトナムは多くの日本企業が進出しているなじみの深い東南アジアの国で、現在人口ボーナス期を迎えております。人口ボーナス期とは、15歳以上65歳未満の、働いて経済を支える「生産年齢人口」の比率が高い状態のことです。人口ボーナス期を迎えた国は大きな経済成長を遂げると言われています。ベトナムでは2015年に外国人による不動産購入が解禁されました。個人名義で購入した物件に限り、賃貸物件として家賃収入を得ることが可能となっています。物件価格は年々上昇していますが、他のアジア諸国と比べるとまだ安いほうですので、キャピタルゲインを得られる可能性は十分あるでしょう。このように高い経済成長やインフレを起こしている国で不動産を買うと大きな売却益を狙える可能性があります。

 

◎先進国の場合

例えばドイツは、石造り・レンガ造りの伝統的なヨーロッパ風の建築を中心に不動産投資が行われています。旧東ドイツであったベルリンの不動産投資が特に注目されています。1989年に「ベルリンの壁」が崩壊するまで、社会主義国家であり西側諸国に対する軍事拠点であったベルリンは積極的な開発が行われず、地価が低いままでした。その後、統一ドイツの首都となり急ピッチで開発が行われてきました。しかし、乱開発を防ぐ法律なども影響し、ベルリンは首都でありながらロンドンやパリといった他国の主要都市よりも物件価格が低く、買いやすい状況が続いています。このように時代の流れや開発の過程で地価形成にひずみが出ており、適正価格より低いケースが海外ではよくあります。これらを利用して収益を上げることが可能です。

海外不動産を購入するメリット

海外不動産を購入するメリット

 

日本の不動産のみで投資を行うと、最も心配しないといけないのが地震のリスクです。日本はどこであっても地震が起きる可能性があります。1981年の新耐震基準以降の建物は震度6強~7程度でも建物が倒壊・破損しないようにできています、しかし、想定以上の揺れ・津波・液状化、地震に伴う火災など、まだまだ大きなリスクがあると言えます。欧州、豪州、米国東海岸などの地域であれば地震リスクをヘッジしやすいと言えます。最近では、気候変動・自然災害や政変などで大きく国の状況が変わってしまうことも考えられます。

保有通貨の分散も、資産の維持のために役に立ちます。円・ドル・ユーロといった国際通貨で家賃収入を得られると、為替リスクをヘッジできます。複数の国で資産を運用することは資産のポートフォリオを組むうえでとてもメリットがあると言えます。
海外不動産の価格上昇によるキャピタルゲイン、為替変動による利益を得ることも狙えます。

海外不動産を購入するデメリット

海外不動産を購入するデメリット

 

まず一つ目に、言語のリスクがあげられます。
海外不動産は、
1:テナント対応・家賃未納の場合の督促などは専有部分の管理を依頼している管理会社から
2:共用部分の維持・管理、管理組合の総会などは建物の管理会社から
と、全て現地の業者より連絡が来ます。
英語圏であればある程度理解できるかもしれませんが、その他の言語圏国での不動産投資の場合、海外から手紙やメールで報告や依頼が来てもさっぱり分からない可能性もあります。

 

また、法律が変わってしまって想定通りの収益を上げられない可能性もあります。
例えば、いままではドイツ・ベルリンにおいて、低い賃料で入居していたテナントが退出後、一気に賃料水準をあげて利回りを改善することができました。しかし、2020年2月に施行された「家賃上限法」で、築年数に応じて1㎡あたりの家賃上限が決められてしまったのです。賃料から逆算をして物件価格を計算する収益還元法というものがあるのですが、この法律によって期待通りのキャピタルゲインがあげられないという事態に陥ったのです。

 

ほかにも、外国人による最低購入価格が定めてあり、その金額が頻繁に変わる国もあります。
東南アジアの不動産投資で多いのが、新築案件のプレビルド販売です。東南アジアのプレビルド販売は、竣工前の設計段階で販売が行われ、予定賃料・予定利回りを数年間保証するというものです。一見問題なさそうですが、保証賃料分が販売価格に上乗せされて割高であることが多く、売却時に思ったような価格で売れないということがあります。また、デベロッパーに全てのお金を支払うスキームのため、建たないままデベロッパーが倒産してしまうと、最悪の場合所有権は移転されず、支払ったお金も戻ってこないということもあり得ます。
海外不動産ならではの為替差損のリスクもあります。

海外不動産を使った節税スキームの廃止

海外不動産を使った節税スキームの廃止

 

いままでは、物件価格のうち建物比率が高い中古不動産を購入することで、短期間で多くの減価償却で利益を圧縮し、売却時の所得税との税差を用いて節税するスキームがありました。富裕層向けによく使われていました。不動産そのもので大きな収益があげられなくても、節税できれば十分だったのです。しかし、2020年度の税制改革で海外不動産所得の赤字を計上できなくなりました。米国の木造不動産スピード償却スキームは、この目的で多く販売されたのですが、これからは純粋な収支で物件を決める必要があります。

まとめ

海外不動産は仲介会社やデベロッパーによって対応に差が出ます。
日本の法律が適用されないだけに、信用できる担当者がいて、費用の支払いが売主・買主直接かエスクローと呼ばれる認可を受けた第三者機関を用いるものにすることが大切です。さらに、オプションでかかる費用の明確化や、どれだけきちんとアフターフォローをしてくれるかも重要になります。
これらを理解したうえで、パートナーとなる会社をきちんと選ぶことが大切です。

 

執筆者:

尾嵜 豪

株式会社ウィンドゲート 代表取締役(不動産会社)
エマージェンザ・ジャパン 代表(優勝で欧州の野外フェスに出演できる音楽イベント)
不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ビル経営管理士、2級FP技能士
音楽イベントプロデユーサー

  • Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加