コロナ禍で居住用不動産を買うべきかどうか?

  • Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年6月の時点でワクチン接種を受けた人の数が急激に増えており、一時に比べて感染の拡大や重症化が収まってきています。しかし、コロナ前のような生活に戻るにはまだしばらく時間がかかるでしょう。

 

そんななか、都心のマンションや郊外の戸建ての売買需要が高まっており、売買価格の下落が起こらず売れ行きが好調だと言われています。今後、ますます需要が増えるので「いまが買い時なのか」、それともコロナ不況による経済悪化が予想されるので「買い控えたほうがいいのか」を直近のデータを使って予測できればと思います。

コロナ禍における賃貸vs売買 賃貸の賃料推移と住宅ローンの低金利状況

 

コロナ禍で居住用賃貸住宅の家賃が下がるのではと予想されていましたが、実際はそれほど変化がありません。

コロナ禍で住宅確保給付金の制度実施などがありましたが、東京カンテイ・賃料月別推移を見ると賃料自体は下がっていないことがデータから分かります。ただし、飲食業やサービス業など自粛による収入減の直撃を受けた人などは、家賃が払えず滞納や退去などが起きています。また、ネットバンクなどを中心に低金利競争は続いています。また住宅ローン控除も引き続き実施されており、お金を借りることによる金利よりも税の還付額の方が多いという逆ザヤ状態になる人も多いでしょう。

 

コロナ禍が終わると賃料の上昇が考えられることもあり、今の状況で居住用住宅を買うという考え方は理にかなっています。ただし、住宅ローンにおける懸念材料が一点あります。コロナ政策で大きな財政出動を行ったために、国債発行額が膨れ上がっており、財政再建のために、利上げを行うかもしれません。そうなった場合はローン返済額が増えてしまい、返済可能額を超えてしまう可能性があります。

 

参照:東京カンテイ「賃料月別推移毎月」

https://www.kantei.ne.jp/report/rent/

コロナ禍でのマンション価格推移と、今買うべきかどうか?

 

2021年5月の東京カンテイ・市況レポート(70㎡換算価格)によると、4月の首都圏中古マンションは3月までの7カ月連続価格上昇は止まったものの、前月から概ね横ばいの4,019万円と高値を維持しています。特に東京都では前月比+1.6%の5,622万円と10カ月連続上昇とどんどん価格が上がっています。

 

では、この後も上がり続けるのでしょうか?私の予想としては上がると思われます。なぜなら、コロナ禍による自粛の影響はしばらく残るでしょうが、強い緊急事態宣言などの発令は無くなりつつあるため、これまでの反動で経済活動が急激に大きく動き始めると予想されるからです。

よって、上記データの上考えると中古マンションを買うのはおすすめだと言えるでしょう。

 

新築マンションについて不動産取引の現場で感じるのは、ニュースで言われているほど郊外に人気がシフトしていないということです。都心のマンションの人気は以前までと変わらず高いままで、根強く価格が上昇しています。ですから、資産価値で考えたとき、コロナ禍にかかわらず値段が高くても、より立地の良い便利な新築マンションを選ぶべきでしょう。

 

参照:東京カンテイ「2021年4月 東京23区は+2.1%の6,272万円で10ヵ月連続プラス 昨年の後半以降は中央区の価格水準も急伸」

https://www.kantei.ne.jp/report/70m2/890

コロナ禍での一戸建て価格推移と、今買うべきかどうか?

 

2021年5月の東京カンテイ・市況レポートによると、首都圏新築一戸建て住宅の平均価格は前月比-1.2%の3,673万円と2カ月連続下落しており、なかでも東京都は-2.6%の4,479万円と3カ月ぶりに反転下落しています。

 

分譲戸数は減少しており、価格の相場も下落傾向が続いています。新築一戸建ての購入は小規模なものを除き、緊急事態宣言の影響を大きく受けています。新築戸建ては、減価償却で価値の下がる建物部分の価格が大きく、将来の売却価格が大きく下がる可能性が高くなります。価格が保たれることは、駅前などの好立地を除いてあまり期待できないでしょう。ちなみに、最近の新築戸建ての特徴は、テレワークができるミニ書斎をリビングの一部に設置するなど新時代に対応したものが増えています。

資産価値としてではなく、郊外でテレワークの為に広い家を買うという考え方はありかもしれません。

 

なお、中古戸建は価格水準がそれほど変わっておらず、好調に推移しています。ただし、中古戸建は建物によって状態が大きく異なることから、建物の状態を事前調査することは必須となります。瑕疵のある建物だと、修繕やリフォームなどでかえって高くついてしまうかもしれません。古い建物の場合は、建物の価値は無いものとして土地のみを購入したぐらいの気持ちで丁度いいと思います。

 

参照:東京カンテイ「2021年5月 首都圏の新築一戸建て平均価格は前月比-1.2%の3,673万円 首都圏は連続下落」

https://www.kantei.ne.jp/report/single_family/898

コロナでの収入の変動に注意

 

居住用不動産の価格水準が順調に推移しているため買いたいという方が増えていますが、サービス業や飲食業などコロナ不況をうけている業種の方は収入減の可能性があるため要注意です。

実際、すでに住宅ローンを組んでマイホームを買った方が、ローンを払えなくなって住宅を手放すケースが増えています。住宅ローンは延滞によって支払えなくなると、一定期間経過後に一括返済を求められます。その後は任意売却から競売へと進んでしまうため注意してください。

特にマンション価格が順調に推移していますが、収入が安定していない人は購入を待ったほうが良いでしょう。

コロナ後の価格推移とそこでの生活を見据えて

 

ワクチンの普及状況を考えると、2022年春ごろにはコロナによる自粛がほとんどなくなり本格的に世界中の人の動きが再開していくでしょう。コロナ期間中に各国は積極的に財政出動をしており、キャッシュが世の中にあふれている状況です。そのキャッシュを多くの人が使い始めることによって現金の価値が下がり、いろいろな業種で値上げが増えるでしょう。つまりインフレが起こり、相対的に不動産の価値が上がる可能性が高くなります。コロナ後のインフレを見込み、現金から不動産へと資産のバランスを変えていくことが大事になってくるでしょう。

まとめ

 

コロナ禍でも、中古マンションを中心に、好調に価格が推移していることから、今のタイミングで居住用不動産を購入することは間違っていないと思います。ただし、テレワークやネットミーティングなどの普及が促進され、産業構造の転換期が到来したと考えられることから収入の変動リスクが高まっているとも言えます。資産バランスや今後の収入の推移に注意しながら、不動産購入を検討してください。

 

執筆者:尾嵜 豪

株式会社ウィンドゲート 代表取締役(不動産会社)

エマージェンザ・ジャパン 代表(優勝で欧州の野外フェスに出演できる音楽イベント)

不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ビル経営管理士、2級FP技能士

音楽イベントプロデユーサー

  • Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加