退職金で不動産投資をしたいけれど、どうすればよいの?

退職金で不動産投資をしたいけれど、どうすればよいの?

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老後のお金は貯金と年金だけでは十分でないと言われています。今回は「退職金を不動産投資に充てることで、老後資金の形成に有効な資産運用ができるのか?」という点について書いてみました。

退職金とマネープラン

退職金とマネープラン

 

厚生労働省の「就労条件調査」によると、大卒者の定年退職者(勤続20年以上かつ45歳以上)の退職金平均額は、2018年の調査で1,788万円となっています。2019年には金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」による「老後20~30年間で約1,300万円~2,000万円が不足する」という試算が世間を騒がせました。この数値がどれほど正確なのかは分かりませんが、老後の暮らしを考えると、退職金だけで公的な年金を補うには心もとないというのが正直なところではないでしょうか。

 

では、老後資金の軸となる公的年金はどれぐらいの額になるのでしょうか。
サラリーマンとして厚生年金を支払っていた人の場合は、下記のようになります。

 

公的年金=老齢基礎年金
[2021年度:満額で約78万900円(払込期間によって減少)]+老齢厚生年金(厚生年金保険)

 

老齢厚生年金の計算方法は、ざっくりと[平均年収÷200×勤続年数]と言われています。
(給付乗率(2003年3月までの勤務期間に対しては7.125/1000、2003年4月以降の勤務期間に対しては5.481/1000⇒ざっくりと5/1000をかけて計算⇒÷200で表現しています)

 

平均年収が400万円で、30年間勤めた人の場合、老齢厚生年金の目安は下記の計算のとおりです。

 

400万円÷200×30年=60万円(老齢厚生年金)

 

老齢基礎年金が満額であったとして、その約78万円を合わせると、年収138万円です。月額で11万5,000円となります。
2018年の総務省の調査結果によると、独身の高齢者の支出額の合計金額は「161,995円/月」と言われています。この計算では毎月5万円ほど不足しています。やはり、上記で示した通り、老後資金がショートしてしまう可能性が高いのが分かります。

 

参照:厚生労働省「4 退職給付(一時金・年金)の支給実態」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/dl/gaiyou04.pdf

参照:金融庁『金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」』
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf

不動産投資の魅力

不動産投資の魅力

 

現金が足りない場合は、運用して資産を増やすというのは欧米では当たり前のようになされています。日本人は投資が苦手と言われていますが、これからは運用力で差がついていくでしょう。では、どういった投資が老後資金のプラスアルファに良いのでしょうか。ずばり、不動産投資がおすすめです。

 

不動産投資は株式投資と違い、実物資産があることや減価償却などで経費計上できるといった大きな魅力があります。
さらに不動産の場合は、土地に対する愛着や建物に対する思い入れができます。これは、株式や債券などの投資との大きな違いです。そこに居住している人との関わりもでき、まさに生きた投資だと言えます。

 

不動産投資や相場を学び、立地を知ることによって、土地の価値がぐんと上がる場所を購入することができるようになればさらに魅力が分かるでしょう。

 

相続税対策としても使えるのが不動産投資の魅力です。
現金を不動産に置き換えておけば相続時に節税ができます。具体的には、不動産の相続税評価額は、現金に比べて低くなります。平均して約70%と言われています。仮に1億円の現金を1億円の土地に置き換えておくと、7,000万円の価値として評価され、それに対して相続税がかかるということです。さらにその土地及び建物があり、その建物を有償で人に貸している状態の土地の事を貸家建付地とよびます。

 

※[自用地とした場合の価額-自用地とした場合の価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合]で計算されます。

 

この計算上、貸家建付地となっていればさらに評価減となります。
加えて、小規模宅地の特例という相続税の評価を下げる特例もあり、不動産にかかる税金が現金よりもかなり低くなることが分かります。

 

不動産投資はローンを組んで行うことが一般的です。株式や債券などの投資の場合、通常は手持ちの現金の範囲内で投資をします。

 

※信用取引などもありますが、老後の資産でリスクをとってやるべきではありません

 

しかし、不動産投資の場合、不動産の収益性及び建物自体が担保となってローンを組むことが可能です。最近では多くの金融機関で融資を引くためには、頭金を20%ほど用意する必要がありますが、きちんと収益が上がっており、建物の状態が良い不動産であれば貸してもらうことができます。この融資を用いて投資をすることを、レバレッジをきかせると言います。レバレッジとは「てこの原理」を指し、「小さい力(元手)で、大きいもの(投資効果)を動かす」という意味です。レバレッジこそが不動産投資の大きな魅力の一つです。少ない自己資金と銀行からの融資によって、手持ちの資金だけでは実現できない投資効果を得ることができます。つまり、少ない自己資金でも銀行から融資を引くことでより大きな物件を購入し、より大きな利益を得ることができるようになる、ということです。

不動産投資の方法について

不動産投資の方法について

 

とはいえ、不動産投資にもリスクがあります。タイミング・立地や物件の状況などについて、専門家のアドバイスを得ることや本人の知識の充実が重要となります。

 

あまり勉強をせずに、自らの知識のみでインターネットや不動産サイトで投資物件を探し、利回りを見て申し込むような買い方はリスクがあります。

 

不動産投資において、短期的な利回りは投資の一指標に過ぎません。相場、立地、建物の状態、管理の状態、法的な部分なども含めて理解したうえで投資をするべきです。そのためには、いくらか費用がかかったとしても不動産コンサルティングの専門家を自らの投資チームに入れるべきでしょう。

 

専門家は「地価の推移を経済状況と絡めて理解している」「収益還元法やIRRなどを用いて収益の比較ができる」「建物の修繕・管理状況が分かる」など、素人にはとっつきにくい知識を、経験から得て保有しています。さらに専門家は独自のネットワークを持っていることが多く、表に出てこない優良物件情報を先に入手することができるかもしれません。
良い投資チームを組んだうえで、実際に物件を見に行くようにしましょう。

まとめ

まとめ

 

良い物件と巡り会うことで、不動産投資は勝てる可能性が高い安定した投資となります。良い物件とは、建物の修繕がきちんとなされ、管理状況が良い物件で、借主との良好な状態を作り出せている不動産であり、相場が高騰していない状況で適正な価格で購入できたものです。出口戦略(売却時期・価格)を考えながら、相続まで見据えて所有することが大切です。それができれば、不動産投資ほど安定した投資は無いと言えるでしょう。

 

執筆者:尾嵜 豪
株式会社ウィンドゲート 代表取締役(不動産会社)
エマージェンザ・ジャパン 代表(優勝で欧州の野外フェスに出演できる音楽イベント)
不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ビル経営管理士、2級FP技能士
音楽イベントプロデユーサー

 

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