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家を買う前に知っておきたい住宅ローンの審査基準<基本編>

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家を買う前に、一番気になるのは購入資金の調達だと思います。

家の購入資金をすべて現金で準備できる場合はさておき、一般的には住宅ローンを借りないと資金調達できない人が大半です。

 

そこで、皆さんが知りたいのは「自分はいったいいくらまで住宅ローンを借りることができるのか」ではないでしょうか。

 

そんな疑問に対して、住宅ローンの審査基準がわかれば、自分でも簡単に住宅ローンの借りられる額を知ることができます。今回は、住宅ローンの審査基準がどうなっているのか、その仕組みをお伝えしましょう。

住宅ローンの審査基準①:審査金利は何%なのか

 

現在(2019年12月)は超低金利の時代で、なかには変動金利で1%を切る金利を目にすることもあります。しかしながら、住宅ローンの審査の際、金融機関はこのような金利で審査していません。

 

つまり「審査用の金利があるということを理解しておく必要がある」ということです。では、審査用の金利とはどの程度のものなのでしょうか。

 

・審査用の金利

多くの銀行では住宅ローン商品の中に固定金利の商品があります。例えば、3年間固定金利とか5年間固定金利というようなものがこれに該当します。こうした固定金利の商品の中で10年間固定金利の商品がありますが、住宅ローンの審査金利は、この10年固定の店頭表示金利等を使って審査しています。

 

この金利は各金融機関が毎月見直ししているので、その月によっては金利の低い時期もあります。例えば、2019年11月の三菱UFJ銀行の10年固定の店頭金利は3.19%、三井住友銀行の場合は3.20%(※1)となっていて、これらの金利を目安にして審査しているようです。

 

(※1)

三菱UFJ銀行「固定10年プレミアム住宅ローン」

https://www.bk.mufg.jp/kariru/jutaku/kanren/kotei10.html

三井住友銀行「11月の金利-住宅ローン(新規)」

https://www.smbc.co.jp/kojin/jutaku_loan/shinki/kinri/

住宅ローンの審査基準②:年収に対して返済可能かを審査する基準

お金と家

 

住宅ローンの審査金利は実際に借りる金利で審査していないことがわかりましたが、自分の年収のどの程度まで住宅ローンの返済に回すことが可能なのでしょうか。ここでは、年収に対する返済の割合についてお話ししましょう。

 

・年収に対する返済の割合の考え方

住宅ローンが返済可能かどうかの判断は、給与所得者の場合、借入人の税込み年収で判定しています。年収が400万円で「年間で年収額の35%以内の返済額を収める」という審査基準の場合、先ほどの審査金利で返済額を算出して、年間返済額が年収の35%以内にならないと審査は通りません。

 

他にも、年収が400万円未満の場合は年収額の30%以内、300万円未満の場合は25%以内等の審査基準があります。これらは当然ながら収入に応じたものとなるわけです。

 

例外的に、年収400万円以上の方で、年収額の40%までを年間返済額としているケースもありますが、こうした場合には実効金利が通常よりも高い場合もあります。

 

審査上は借入することが可能でも、さすがに税込み収入の4割を住宅ローンの返済に充てるのは現実的ではありません。したがって、一般的には、概ね年収の25%前後が住宅ローンの返済に充てる目安と言われています。

事例でみる住宅ローンの審査基準(年収450万円の人はいくらまで借りられる?)

ここからは、先ほどの住宅ローンの審査基準を具体的な事例でご紹介します。
年収450万円の会社員の方が、35年返済でローンを組んだ場合、どのくらいの金額を借りられるのか実際に計算してみましょう。

 

・年収450万円の会社員の場合

借入可能金額は、以下の数式で算出できます。電卓でも計算可能なので、ぜひ一度試してみてください。

 

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(年収 × 年間返済比率「年収450万円の場合は35%」) ÷ (ローン審査金利での希望返済期間100万円当り月額返済金 × 12カ月) × 100万

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ローン審査金利が「10年固定期間のローンの店頭表示金利」の場合、例えば店頭表示金利が3.25%とすれば、35年元利均等返済における100万円当りの月々返済額は3,989円となります。(100万円あたりの返済額は、ネットの住宅ローン返済額シミュレーションなどで算出可能)。

 

これに12をかけると、4万7,868円。これらの数字を上記の数式に当てはめ、計算すると借入上限金額が計算できます。

 

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(450万円 × 35%) ÷ (4万7,868円 × 100万) = 3,290万円(32,902,000)

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年収450万円の人は、35年返済で3,290万円ぐらいの金額が借りられることになります。

 

30年や25年といった返済期間を希望する場合は、100万円当りの月々返済額を入れ替えて計算しましょう。ちなみに30年返済は4,352円、25年は4,873円となり、30年返済での借入上限は3,015万円、25年返済では2,693万円程度です。

住宅ローンは「借りられる金額ではなく、返せる金額」

家

住宅ローンの審査には、審査用の金利があります。それは、将来の金利変動を想定しながら、適切な借入額を算出するもの。むやみに、限度を超えた住宅ローンを組めば家計の破綻につながります。

 

「住宅ローンは借りられる金額ではなく、あくまでも返せる金額」であることを心得て、ご自身にとって適切な住宅ローンの借入を検討してみてください。

 

 

 

【専門家プロフィール】
寺岡 孝 住宅&保険・住宅ローン コンサルタント
アネシスプランニング株式会社代表取締役。大手ハウスメーカーに勤務した後、2006 年にアネシスプランニング株式会社を設立。住宅の建築や不動産購入・売却などのあらゆる場面において、お客様を主体とする中立的なアドバイスおよびサポートを実施。これまでに2000 件以上の相談を受けている。東洋経済オンライン、ZUU online、スマイスター、楽待などのWebメディアに、住宅やローン、不動産投資についてのコラムなどを多数寄稿。著書に『不動産投資は出口戦略が9割』『一生役立つ「お金と住まい」の話』(クロスメディア・パブリッシング)がある。

 

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