無償アフター点検を有効活用!新築住宅購入後のサービスとは

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近年、新築の戸建て住宅・マンションを購入するときに、「無償アフター点検」が契約に盛り込まれるケースが多くなっています。

 

そこで今回は、無償アフター点検の概要や無償アフター点検を有効に活用するためのポイントについてご紹介します。

住宅の「無償アフター点検」は、申告して点検してもらえるサービス

 

戸建て・マンション問わず新築住宅を購入したときに、無償アフター点検サービスが契約に付加されることが多くなりました。

 

●無償アフター点検サービスとは?

 

無償アフター点検サービスは、住宅を引き渡したあと2年以内に3回ほど無料で何らか不具合がないかどうかを点検するサービスです。住宅の施工を担った施工会社が設定しています。

 

点検のタイミングは、「3カ月後・1年後・2年後」もしくは「半年後・1年後・2年後」のいずれかで設定されているケースが多いものです。

 

施工業者によって違いはありますが、設定された時期に「何か不具合や気になることがありませんか?」と電話やはがきなどでお知らせされます。具体的に何か不具合や気になる要素がある場合は、そのことを施工会社に回答・返信します。後日、施工会社の担当者が不具合や気になる要素を確認するために訪問。そこで施工的な不具合と認められれば、あらためて別期日で補修工事がおこなわれます。

 

無償アフター点検サービスといっても、申告制のサービスです。不具合などがあることを申告した上ではじめて点検に来てくれるので、誤解のないよう注意しましょう。

 

 

●無償アフター点検は法規で定められている権利

 

「無償アフター点検サービスが付いている……」と聞くと、お得なサービスと感じてしまうかもしれません。
しかし無償アフター点検でおこなっている内容は、以前から法規で定められている購入者側の権利として存在しているものです。

 

新築住宅には、建材など多くの要素に「2年の瑕疵保証」が付いています。つまり、2年以内に生じた施工の不具合・建材などの機能的な不具合は、無償で補修する義務が施工者にあるということです。

住宅が完成するのは1.5~2年後?経過時期ごとに点検すべき要素とは

 

無償アフター点検を有効活用するために、経過時期(半年後、1年後、2年後)ごとに点検しておくべき代表的な要素は下記の通りです。

 

●半年後のチェック要素
・壁クロス、天井クロスの剥がれ及び隙間の有無
・給排水管からの水漏れの有無(洗面化粧台、キッチン)
●1年後のチェック要素
・建具、窓の歪みチェック(開け閉め時の違和感の有無)
・フローリング床の浮き及び違和感の有無●2年後のチェック要素
・フローリング床の浮き及び違和感の有無
・漏水(雨漏れ)の有無

 

戸建て・マンションともに、引き渡し時が完成ではありません。本当の意味で住宅が完成するのは、「1.5~2年後」。なぜなら、新たな生活が始まると、住宅の「温度」「湿度(水分量)」「荷重(重さ)」が大きく変動するからです。すると、住宅の各部位(天井・壁・床・下地)や各建材の伸縮膨張が繰り返されて荷重変化が加わり、住宅全体に変位が生じます。
つまり、変位がおさまって安定的な状態となるまでに、1.5年~2年程度の期間が必要となるのです。

 

このように、約2年間は住宅の変位に関連してさまざまな不具合が生じる可能性があります。逆に言うと、この期間中に適度な不具合が表面化してくるのは必然とも言えます。ここで表面化した不具合を早期に修繕しておくことで、本当の意味での不具合(機能的な不具合)に至らずにすむのです。

 

住宅購入者の多くが、無償アフター点検を効果的に活用できていないものです。施工会社にしっかりと相談できるよう、自身でも住宅をチェックしてみてください。

構造躯体の不具合や雨漏りなどには「10年の長期保証(無償)」

 

2年間の無償アフター点検サービス以外にも、構造躯体の不具合や雨漏りなど住宅の根幹的な機能性に関する不具合に対しては別途「10年の長期保証(無償)」が付いています。「構造躯体」とは、建物の構造にとても大切な建物部位(柱・梁・基礎・耐震壁など)のことです。

 

また、構造種別(S造・RC造など)によっては、「20年の長期保証(無償)」が付いている住宅もあります。

「無償アフター点検」の悪用に要注意!

 

先述したように、無償アフター点検は、以前から法規によって定められたものです。
それにも関わらず、本来の無償アフター点検の目的を逸脱した「施工者によるリフォーム関連の営業機会」と捉えた対応をしてくる業者が出てきています。無料で修繕すべき不具合に対して、「瑕疵と言える要素ではないため無償修繕はできませんが、有料で補修をおこなうことは可能です」といった営業トークを仕掛けてくる業者が存在しているのです。

 

そのようなやり取りに直面したときには、第三者(建築士や住宅インスペクターなど)の意見を取り入れて判断しましょう。

 

 

住宅は、引き渡しを受けてから1.5~2年程度の月日が経過してはじめて完成を迎えるものです。完成に至るまでの間は、住宅環境が大きく変化する可能性があり、変化に伴う不具合が表面化してくる可能性があることをしっかりと念頭に置きましょう。
その上で、無償アフター点検を形骸化させてしまうことなく、有効に活用してみてはいかがでしょうか。

 

 

執筆者:榑林 宏之
一級建築士・防災アドバイザー
一級建築士として活動。「都市環境・住宅環境と防災」「都市環境・ランドスケープ計画における、人の行動・動線設計と危機管理」などに携わっています。

 

BAUMPLANNING一級建築士事務所
URL:https://www.baumplanning.com/nairankai/

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