戸建て住宅かマンション?電気かガス?賢い住まいの選び方

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住宅購入時に「戸建て住宅」にすべきか「マンション」にすべきかの迷いは、いつの時代も永遠のテーマのように語られます。不動産価値を維持できる住まい探しは重要ですが、どちらを選ぶかで通勤・通学など交通の利便性や住み心地などが変わるものです。
そこで今回は、住宅購入を検討している方の賢い住まいの選び方についてご紹介します。

選択は永遠のテーマ?自由設計ができる「戸建て住宅」と高いセキュリティの「マンション」

 

「戸建て」か「マンション」かの好みは、生まれてから成人するまでの間に住んだ家で分かれるというのが少なくありません。一方で案外食わず嫌いで、住んでみたら逆も良かったという声も住民の方から聞くことがあります。

 

戸建て注文住宅においては、部屋の配置・面積や動線からコンセント位置まで自由に設定できるのが一番の魅力です。また、外装デザインやオール電化・ガス併用の選択も含め、こだわりのある住まいにできるのがマンションにないポイントだと言えます。予算によって構造体も選択でき、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造など選択肢も広がります。マンション住まいで苦情の多い上階の生活音を気にしないで良いことや、購入時に利用するフラット35Sなどのローン仕様に沿った基準の程度(耐震、省エネ、バリアフリー、劣化対策などの等級)を選択できます。

高級志向のハウスメーカーからローコストを得意とするハウスメーカーまでさまざまですが、木造や軽量鉄骨など得意分野が決まっています。打合せ内容や予算に応じて構造体を設計変更できるのは、建築設計事務所が強いでしょう。

 

マンションにおいてはオプションで多少の部屋形状の変更が可能なケースがありますが、基本的には階数も含め決まったプランの中から選ぶことになります。マンションの強みは、最新のセキュリティシステムや設備機器が導入されていたり、不在時の宅配ボックスが常設されていたりすることです。また、万人向けの設計がされている分、戸建て住宅より売却がしやすくなっています。
さらにマンションは戸建て住宅より災害に強いといわれています。しかし高層マンションでは、エレベーターの停止により地上階までの行き来が問題になっています。

子育て世帯は「利便性」・高齢者世帯は「安全性」。ライフスタイルの変化から見た住まいの選び方

 

小さな子どもがいるご家庭において、重要視されるのが「利便性」です。

1. 夫婦共働きのご家族が圧倒的に増え、通勤が便利であること
2. 子どもの教育機関(保育園や学校など)が近く、充実している地域であること
3. できれば公園など外で遊べる場所があること

 

利便性で言えば、都心部の駅の近くに戸建て住宅用の土地を取得するのは難しいので圧倒的にマンション住まいになるでしょう。しかし、自家用車やバスなどを通勤の一部として使う場合は、郊外で戸建て住宅という選択肢も考えられます。

 

高齢者世帯においては「安全性」が求められます。

1. 各室内の温暖差が少ないこと(ヒートショック防止)
2. バリアフリーで“終の棲家”(ついのすみか)として住めること
3. ライフラインが安定していること(病院・スーパーなどが近い)
4. 防犯性に優れていること

 

特に介護を必要とする高齢者世帯の場合は、地域に訪問診療などの在宅生活者に向けた外部サービスの有無もポイントになります。
マンションでは大規模リフォームが規約上難しく、水周りの位置を大幅に変更できません。そのため、高齢者世帯は一般的に戸建て住まいが多い傾向にあります。一方でマンションは防犯面が優れています。また、エレベーターで上階に上がれば部屋は平屋と同じ状況ですので、安全性にも優れています。
サービス付き高齢者賃貸住宅だけでなくバリアフリー仕様で“終の棲家”として対応している分譲マンションも増えており、高齢になって戸建て住宅からマンションに移住するケースもよくみられます。

どちらを選ぶべき?「オール電化住宅」と「都市ガス併用住宅」

 

オール電化住宅と都市ガス併用住宅、どちらを選ぶべきかは下記の通りです。

 

●オール電化にすべきご家庭・地域

・新築時もしくは将来的に太陽光発電を利用する予定がある
・都市ガスでなくプロパンガスの地域(プロパンガスは価格が割高のため)
・住宅購入時の各助成、補助などを受けるご家庭など

●都市ガス併用にすべきご家庭・地域

・料理においてガス調理にこだわりがある(ガスコンロ・オーブンなど)
・エネファーム導入可能なご家庭
・都市ガスが通っており、エアコン暖房よりガス暖房を望まれるご家庭 など

 

(マンションにおいてもオール電化仕様やガス併用でのエネファーム設置マンションがあります)

 

2020年省エネ基準義務化は見送られましたが、省エネ基準相当である“断熱性能等級4”かつ“一次エネルギー消費量等級4”をクリアするにはオール電化にするとよいでしょう。ちなみに過去の大震災において、ライフラインとしての復旧が早いのは電気、次に都市ガスの順です。

 

また、電力・都市ガスの購入自由化によって各会社が料金の試算表を掲載しています。計算結果はどれも大きな差異はありません。
オール電化住宅における電力会社は、契約数が元々多い地域の電力会社が主に選ばれています。しかし近年では、携帯電話会社やインターネット回線会社なども電力事業に乗り出しているので選択肢が広がっています。
一方、都市ガス併用住宅においては電力会社・ガス会社それぞれのオプションやポイント制度などで選ぶケースが多くみられます。

住まい方が大きく変わる!住宅購入時はまず自家用車の所有の有無を見直して

 

家は本来、住まい手のニーズに合わせた大きさ・仕様になるべきですが、自家用車の有無が住まい方に影響を及ぼします。住宅購入時には、自家用車を持つべきか持たざるべきかを考えることが大切です。

 

戸建て住宅に駐車場スペースを確保すると、建物の面積や形状に影響を及ぼすケースが多いものです。しかし、駐車場を設置しない場合、屋外の動線を含め自由度が増します。
また、マンションにおいても駅近の場合、屋外や地下に機械駐車場を設けると費用が莫大にかかります。そのため、都心では駐車場無しにして価格を抑えたマンションも販売されるようになりました。

 

公共交通機関やバス・タクシーなどが充実していれば、子育て世帯から高齢者世帯まで自動車無しの生活が送れます。一方で郊外に住む場合は、自動車が必需になってくるでしょう。

 

 

戸建て住宅にすべきかマンションにすべきかは、「ライフスタイルの変化に合わせて売却するのか」「“終の棲家”として考えるのか」で変わってきます。前者の場合は、外出における利便性(駅が近いなど)が良い場所であるのと同時に資産として売れる家(人気のマンションなど)が挙げられます。一方後者の場合は、家族構成や住まい方にこだわってオリジナルの部屋の配置や動線を求めた家(戸建て注文住宅)などが挙げられます。
「家は3回建てないと理想の家にならない」という言葉がありますが、理想の家を早く見つける手掛かりにしていただければ幸いです。

 

 

 

執筆者:斎藤 進一
一級建築士
大手ゼネコンで施工管理を経験し、ハウスメーカー系工務店で設計・施工を経験。高齢者・障害者のバリアフリー住宅の専門家が当時居なかったことから2004年に「やすらぎ介護福祉設計」を創業する。
URL:https://profile.ne.jp/pf/yasuragi/

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