失敗しない!働く女性のためのかしこいマンション購入

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賃貸と分譲、毎月同じお金を払うなら、自分好みに手を加え、お気に入りのものに囲まれて暮らせる分譲マンションの方がよい、そう思う女性は多いのではないでしょうか?

 

今回は、働く女性がかしこくマンションを購入できるよう、内覧で確認するべきチェックポイントをマンション購入セミナーの講師もつとめる住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所、井上恵子さんにお伺いしました。また、資産性の上がるマンションについてもご紹介します。

 

井上恵子さん

▲住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所、井上恵子さん

 

モデルルーム内覧の前にチェック!建物構造の基礎知識について

――井上先生、気になるマンションを見つけました!内覧にいこうと思うんですが、内覧に行く前にチェックするポイントはありますか?

 

マンションは滅多にない大きな買い物なので地盤も耐震も…と大事なポイントはたくさんあります。しかし専門的な分野すぎると混乱するので、まずはこれだけ。『住宅性能表示制度』を利用しているマンションを選んでください

 

※何よりもまずはこれを見る『住宅性能表示制度』とは?

住宅性能表示制度とは、マンションの建て主である不動産会社などが第三者の専門機関にお金を払って、自分たちが建てたマンションを審査して貰う制度のこと。構造の安定や劣化の軽減など、目に見えにくいけれども大切な性能・品質に関わる10分野について審査を受け、評価書を交付してもらいます。この制度を利用しているだけでも一定以上の品質があるマンションと考えてよいでしょう。現在大手ディベロッパーのほとんどが利用しており、都心部に立つマンションの7割はこの制度を利用しています。第三者の目が入ることで安心ですよね。この制度を利用している場合は、チラシやカタログに下記のマークがついているので一目でわかります。まずはそれを選ぶというのが大前提です。

 

 

建設性能評価マーク

▲「設計段階」で評価を受けたことを示すマーク。下が「施工・完成段階」の現場検査を受けたことを示すマーク。この二つのマークの両方ともあることが望ましい。出典:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会

 

「マンションのモデルルームを訪問したら、性能評価書を見せてもらいましょう。例えば、耐震性の高い建物を選ぶ際には、『構造の安定』という分野の「耐震等級」を確認します。「等級3」であれば一般的な建物の1.5倍の揺れに耐えることができます。建物の耐用年数は、『劣化の軽減』という分野の「劣化対策等級」を確認します。「等級3」であれば70~90年間、3世代は持つという評価です。ちなみに2だと2世代の50~60年、1だとそれ以下です

 

――その他に、調べておいた方がいいものはありますか?

 

土地条件・基礎工事・建築構造・建物の耐震性の4つのポイントを確認するのがおすすめです。専門的な内容が含まれるのですが、暮らしの安全のためには知っておいた方がよいでしょう。

 

1.災害に強い土地かどうか

最近、地震や河川の氾濫、土砂災害や津波など、自然災害によって住まいに被害が生じるニュースを見かけることが多くなりました。そこで、その土地の災害リスクをハザードマップなどで調べる人が増えています。インターネットで公開している自治体が多いですし、各自治体の建築課に行けば資料を閲覧したり、教えてもらったりすることもできます。

 

2.基礎工事

モデルルームに行くと、建物の基礎や構造の説明がパネル展示されていると思います。そこで、どんな基礎になっているか確認してみてください。地盤の良いところであれば杭は不要なんです。もし杭基礎であれば、杭の長さについても調べてみてください。杭は建物を支える強い地盤に到達するまで打ち込まれています。あまりにも長い杭が使われていれば、あまりよい地盤ではないということ。長い杭は大きな地震で割れたりする可能性もあります。

 

3.建築構造

一般的にマンションではRC(鉄筋コンクリート)造やSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造が多くなります。低層~中層以下ではRC造が多く、高層や大規模マンションではSRC造が多くなります。RC造マンションには、壁で支える壁式構造と柱・梁で支えるラーメン構造があります。

 

・壁式構造:柱梁がないためすっきりしているが、壁を壊せないため大規模な間取り変更リフォームには不向き

・ラーメン構造:リフォームの自由度は高いが、室内に柱・梁が目立つ場合も。

 

4.建物の耐震性

耐震性には以下の3つの構造があります。免震構造の建物は地震の揺れをカットする装置が組み込まれており、地震時に建物へ伝わる揺れが小さくなるため、その分建物の被害や室内の家具の転倒なども少なくなります。制震構造は建物に揺れを吸収する部材を組み込んでおり、高い建物の高層階の揺れを少なくします。耐震構造の建物は、地震時に建物が踏ん張って耐えるため、揺れはそのまま建物に伝わります。免震構造や制震構造を取り入れている建物であれば、より安心と言えます。

 

・免震構造:建物の揺れが少なく、損傷も少ない。

・制震構造:制震部材が揺れを吸収し、高層マンションの上階の揺れを少なくする。風揺れなどにも効果がある。

・耐震構造:柱・梁を太く頑丈にしている。地盤の揺れがそのまま建物に伝わる。

 

モデルルームの内覧の際にチェック!女性のマンション選びのポイント

 

――内覧の前にも確認するためのポイントはたくさんあるのですね。では、実際に内覧する際のチェックするポイントについて教えてください!

 

モデルルームの素敵さに舞い上がり、1つ目の内覧で即決してしまう人もいるようですが、あらかじめここだけはゆずれないポイントと優先順位を書き出し、それに一致しているかどうか確認してください。内覧は時間も体力も使うので、ポイントに当てはまった物件だけをピックアップして訪問するのがおすすめです。その際最低5つは見るといいですね。下記の3つのポイントは事前にチェックすることをおすすめします。

 

1.資金

ローンで苦しんではせっかくのマンションライフも台無しに。資金計画を作り、手の届く物件を選んでください。信頼できるファイナンシャルプランナーに相談して資金計画を作成してもらうことをお勧めします。

 

2.場所

女性の一人暮らしの場合は特に、周辺環境をチェックしてください。不法投棄のごみやいたずら書きが残ったままの地域は、犯罪を誘発します。人通りがなくて真っ暗な夜道は言語道断。最寄駅からマンションまで、夜に一人で歩けるかどうかも確認してください。

 

3.間取り

最低でも1LDK以上をおすすめします。ワンルームという選択もあるかもしれませんが、気分転換ができないですし、友達も呼びにくいです。また1LDK以上であれば、結婚後もしばらくは住めますしね。

 

――ありがとうございますでは、室内ではどのようなポイントをチェックしたら良いのでしょうか?

 

キッチン・お風呂場・寝室・トイレ・ベランダ・収納・防犯など、部屋を細分化して、それぞれの箇所で自分が求めるポイントをチェックしましょう。以下、例を挙げるので内覧の際に参考にしてください

 

1.キッチンのコンロ

実はキッチンを重要視しない人も多いんです。しかしキッチンのコンロが1口か2口では大きな差がでます。ライフスタイルの変化などできちんとした料理を作らなければならなくなる時が来るかもしれません。その時に備えて、ぜひ2口以上を選んで欲しいですね。

 

2.お風呂場

浴室乾燥機の有無:夜遅くの帰宅や防犯の面から洗濯物が外に干せないケースも。そんなときに浴室乾燥機があると便利です。

ミストサウナの有無:リラックス効果のあるミストサウナや、腰掛けて半身浴ができる浴槽を採用している物件もあります。お風呂場に充実した機能があると、いい気分転換ができますね。

 

3.寝室のスペース

寝室は6畳以上をおすすめします。将来夫婦の寝室として使うこともできますし、6畳という広さはシングルベッドを置いて、車いすでターンすることができる目安になります。すなわち、終の棲家として高齢になっても住み続けることが可能ということです。7畳ではそれに加えてテレビや棚を、8畳であればドレッサーが置けます。

 

4.トイレのスペース

パウダールームと兼ねて手洗いと鏡がついて、さらにはカウンターがあると、お気に入りの小物を置いたり、お花が飾れたりして気分もアガりますよね。

 

5.ベランダ

・ベランダの方角:ガーデニングが趣味の方や、洗濯物や布団をお日さまにあてて干したい方は南向きのベランダがマストです。

・スロップシンクの有無:ベランダガーデニングの際の水やりや、ちょっとした泥や掃除用具の汚れを落とせるように、ベランダにスロップシンクがあると便利です。

 

6.収納

洋服やバッグなどの身の回りのものを収納できるクローゼットの有無、洗面化粧台にはお化粧品などの小物を置けるか、玄関の靴箱の収納量は十分にありそうか、チェックしてください。

 

7.防犯

・オートロック:メインエントランスのオートロックは最低条件です、また最近は何かあった時に防犯カメラでの検挙率や抑止率が高くなっているので、エントランスやエレベーターの防犯カメラの有無も確認しましょう。また、各住戸玄関にモニター付インターフォンがあれば、訪問した人を映像で確認できるので安心です。

・ダブルロック:防犯のためには玄関ドアや窓がダブルロックになっているほうがより安心です。内覧の際にチェックしましょう。

 

資産性の高いマンションって?

 

――ありがとうございます。中も外もチェックをして、なんだか素敵なマンションを購入ができそうな気がします!ただ、どれだけ素敵な物件でも結婚や出産でライフスタイルが変化したとき、住まいを手放さなければならないこともありますよね。最後に、住まいを手放す際に貸しやすく売りやすい物件を選ぶためのポイントを教えてください!

 

井上恵子さん

 

マンションの資産性は、室内や設備などの状態や性能ももちろんなのですが、立地などの面が大きく関わります。将来的な売却を見据えている場合は、以下の4つのポイントに注意してください

 

1.住宅性能評価書の有無

なにを置いてもまずは評価書をとっていることです。耐震等級と劣化対策等級が高いものをおすすめします。

 

2.駅近10分以内

特に電車移動が一般的な都市部では、駅からの近さは重視されます。バス便を利用するような駅から離れたマンションでは、借り手・売り手を見つけるのが難しくなるかもしれません。また、最寄り駅で複数路線が使用できれば人気も上がります。

 

3.生活に便利な施設が近くにあるか

コンビニ・スーパーが近くにあるか、さらに病院・市役所・郵便局が徒歩圏内にある利便性の高い物件は資産価値が高まります。

 

4.外観の綺麗さ

エントランスが綺麗で清潔感があるかどうかは価格に影響します。例えば向かい同士のマンションでも外観の綺麗さで金額にかなり差が出るということもありますね。

 

 

マンション購入は、決して夢物語ではありません。好きなものに囲まれて暮らす、大人の女性の素敵な生活。ぜひ先を見据えた賢いマンション選びをしていただきたいと思います。

 

 

 

住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所 主宰 井上恵子

<プロフィール>

一級建築士/インテリアプランナー
総合建設会社の設計部で、主にマンションやオフィスの設計・インテリアデザイン、性能評価などを約14年間担当したのち2004年に独立。

独立後は子育ての経験を生かし保育園の設計などを行う傍ら、「安心・安全・快適な住まい」をテーマに生活・情報サイトでの記事執筆、新聞へのコラム掲載、マンション購入セミナーの講師として活躍。
著書に「住宅リフォーム計画」(学芸出版社/共著)「大震災・大災害に強い家づくり、家選び」(朝日新聞出版)などがある。

 

<URL>

住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所

http://atelier-sumai.jp/

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