
放置していると損! 相続空き家を維持するための方法
自身が購入するわけではなくても、親から相続することにより不動産を取得することがあります。しかし、「マイホームが欲しい」、「不動産投資がしたい」などの目的があるわけではなく不動産を取得した場合、使い道がわからず、そのまま放置して空き家になってしまうケースが多くあります。ここでは、相続空き家を放置しておくことのデメリット、そして維持するための方法についてご紹介します。
空き家を放置することによるデメリットと解決策

空き家を放置してしまうと、以下の3つのデメリットが考えられます。
・固定資産税を支払い続ける
土地や建物などの不動産を持っている場合には固定資産税を納税する義務があり、それが空き家であっても同様の義務が課せられています。
しかも、平成27年5月に全面施行された空き家対策特別措置法により、さらにリスクが増えます。法律では、倒壊の危険がある、ゴミなどが溜まって地域に悪影響を与える、などの状態にある空き家を“特定空家等”と定義しています。通常であれば住宅用地の固定資産税は最大6分の1に減額する控除が適用されていますが、この法律により、“特定空家等”に認定された空家には控除が適用されなくなりました。つまり、それまでの最大6倍の固定資産税を支払わなければならなくなるのです。
・劣化が進み、不動産の価値が低下する
何も手入れをせずに放置していると、建物が傷んだり雑草が増殖したりして不動産としての価値が下がってしまいます。そうなると、いつか売却しようとなった際に評価額が大きく下がる可能性があります。
・膨大な過料が課せられる可能性がある
不動産の劣化が進み、自治体から特定空家等に認定されると、過料が課せられることがあります。例えば、改善命令が出された際にそれを無視すると、50万円以下の過料が課せられます。また、強制執行が行われる際はその費用を所有者が負担することになります。
これら3つの問題を解決するためには、まずは“相続登記”を行うことが大切です。
何をするにもまずは相続登記

不動産には名義人が設定されており、被相続人が亡くなって相続人に受け継がれたあとも名義人は被相続人のままです。これを相続人の名義に書き換えることを、相続登記といいます。
相続登記は必ず行わなければならないものではなく、本人が行わなければそのままです。しかし、相続登記をしなければさまざまなデメリットが発生します。
・売却などが行えない
自身が相続した不動産であっても、相続登記を行っていないと、売却などの処理を行うことができません。また、何か事故があった際の賠償を受けることもできません。
・ほかの相続人が勝手に売却することがある
複数の相続人がいた場合、誰かが勝手に全てを売却することはできませんが、自身の持ち分だけ売却することは可能です。また、ほかの相続人が債務を負っていた場合、債権者がその相続人の持ち分を差し押さえることも可能です。
・相続人が増える
もし他の相続人が死亡し、例えばその配偶者と子に相続が行われるとすると、その不動産の相続人がさらに増えることになります。こうなると手続きなどが余計に複雑化するばかりか、不要な相続争いを引き起こしてしまう可能性もあります。
相続登記をしておかないと、以上のようなデメリットが発生します。相続登記を早めに済ませ、売却や賃貸利用など、何かしらに活用することをおすすめします。
空家巡回サービスで価値を維持
相続登記を済ませても、すぐさま活用というわけにはいきません。そこで、活用方法が決まるまで不動産の価値を維持する方法として、空家巡回サービスがあります。
空家巡回サービスは基本的に月に1度行われ、異常があれば担当から知らせてもらえます。空家巡回サービスで行われるのは、ポストの整理、簡単な清掃、雨漏りや雑草などの確認などです。また、写真つきのわかりやすい報告書を作ってくれるのも空家巡回サービスの特徴です。
空家巡回サービスを利用していれば特定空家等に認定される前に異常に気づけるので、固定資産税の増額を回避することも可能です。
最後に
以上のように、相続したら早めに相続登記を済ませて空家巡回サービスを利用することで、上記に挙げたデメリットを回避することができます。また、不動産の価値を維持することも可能なので、いずれ売却を考えている際も、空家巡回サービスを検討しましょう。