家を手に持つ男性

共有相続はトラブルの元?不動産相続する際の最適な方法とは?

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お金とは異なり、必ずしも細かく正確に分割することができない不動産は、兄弟がいる場合、相続が難しい遺産です。

兄弟間での不動産相続にはさまざまなパターンがありますが、判断を誤ると後々のトラブルにつながってしまいます。

 

特にトラブルにつながりやすいのが、共有相続という制度を利用した場合です。

共有相続とは、相続財産のすべてを複数人で相続するもの。お金のように分けられるものは半分ずつにして、分けることができない不動産などは2名で所有することができます。

 

共有相続を選ぶことで、どのようなトラブルが引き起こされるのか?

共有相続以外にはどのような方法があるのか?

どのような相続方法を選ぶべきなのか?

 

これまで多くの兄弟間相続に関わってきた、グリーン司法書士法人・行政書士事務所代表の山田愼一さんに詳しくお伺いしました。

兄弟相続の方法と兄弟相続の事例をご紹介

悩む男女

 

共有相続のリスクとはどのようなものなのでしょうか?

 

お金のように分けられるものに関してはいいですが、不動産のような分けられないものを共有で持つことはリスクになります。共有相続を選んだ時点では兄弟間の意見が一致していたとしても、それが将来ずっと続くとは限りません。売却するにしても、賃貸に出すにしても、すべて、全員の意見を一致させないといけません。その意見が食い違うと、お互いの意見がぶつかりあいトラブルに発展します

 

ひとつの財産を複数人で持つことで、意見が一致しなかったときに必ず問題が起こるのが共有相続の難しいところ。また、一度共有相続を選んでしまうと変更するときにコストも時間もかかってしまいます。

 

特に不動産相続は名義を変更する際に、不動産取得税や譲渡所得など、さまざまな税金がかかるため、費用的な面でも困ってしまうことが多いとのこと。資金がないと名義を変更することができないため、注意が必要です。

 

山田さんの事務所に相談に来る方の中でも、共有相続を選ぼうとしている方はかなり多く、その度に共有相続は控えた方がよいとアドバイスしているといいます。

 

山田愼一さん②


若いと兄弟の仲が良いことも多いので、それだけ共有相続を選ぶケースも多いですね。特にご両親が亡くなった後は結束力が強くなるので、共有を選びやすいんです。この前も、22歳と24歳くらいの兄妹が相談に来ました。2人で全部折半したいということでしたが、絶対にやめておいた方がいいと伝えましたこの2人の場合は不動産以外にもお金があったので、妹にお金、兄に不動産という分け方を選んでもらいました」

 

幸い兄弟の仲が良くトラブルが発生しなかったとしても、どちらかが先に亡くなった場合、片方の財産は亡くなった方の奥さんか子どもが相続します。そうなると、兄弟の奥さんや子どもと意見を一致させなければ、不動産を自由に使うこともできません。

 

また、片方が認知症になってしまった場合、不動産の売却を行う際にも複雑な手続きを踏まなければならなくなります。意見を一致させなければ不動産を自由に扱えないのはもちろん、共有相続は、手続きや費用の面でも、将来的に大きな負担がかかる可能性を秘めているのです。

 

書類を記入


そのときに共有でよいと思っても、将来的に意見が食い違うかもしれませんし、片方が事故などで亡くなってしまう可能性もあります。トラブルが発生しても、共有相続を選ぶと簡単に変えることはできません。不動産のような分けられないもの、動かせないものが含まれている場合は特に慎重になる必要があります

 

すべての財産を均等に折半する共有相続は、少し柔軟性に欠けた制度でもあるといえます。

共有相続を選ぶ際には、慎重に将来のことを考えながら選択する必要がありそうです。

 

それでは、兄弟間での相続でトラブルを避けるためにはどのような方法が必要なのでしょうか?

詳しくご紹介いたします。

兄弟間の話し合いでトラブルを回避

相続について話し合い

 

兄弟間でのトラブルを回避する方法として、遺産分割協議を開き、専門家のアドバイスを聞きながら相続するという方法があります。遺産分割協議において、兄弟間でどのように遺産を分配するのか、もしくは共有するのかを話し合いましょう。

 

遺産分割協議では、共有の他に「現物分割・代償分割・換価分割」の3種類から、自分たちに合った相続方法を選びます。

 

現物分割

兄には不動産、弟にはお金という具合に、相続した財産を変えることなくそのまま分ける方法です。

 

代償分割

相続した財産が不動産しかない場合、誰か一人に不動産を相続します。相続した人は、相続を受けていない兄弟に一定の金額を払います。相続人が相続した代償として、兄弟にお金を支払う方法です。

 

換価分割

財産のすべてをお金に変えて分割する方法です。不動産なども財産も売却して、それで得たお金を兄弟間で分割します。

 

遺産分割協議にて、共有相続を含めどのように分けるかを決め、それにのっとって遺産を相続します。

このような遺産分割についてとりうるさまざまなメニューを提示してサポートするのが司法書士の仕事です。

 

遺産分割協議にて、知識がない状態で決めてしまうと共有相続などを選んでしまうことが多いとのこと。また、代償分割を選ぶ際にも注意が必要と山田さん。

 

山田愼一さん①


遺産分割協議を行った上で代償分割を選ぶのは問題ありませんが、代償分割と同じことを、協議外で行うとさまざまな税金面でのデメリットが生じます。兄が不動産をもらって、その代償として弟にいくらかの金額を支払うという形ですね。これをやってしまうと、後で贈与税がかかってしまうんです。遺産分割協議を開いて、そこで『代償分割という制度を選びました』という形にすると贈与税は発生しません

 

司法書士や行政書士のような仕事をしていると、共有相続の危険性や代償分割の協議外でお金を受け渡しすることのデメリットは周知の事実です。

 

しかし、実際に一般の方々の相談に触れると、それがまったく浸透していないことを実感するといいます。

特に不動産は、分けることができないため、さまざまなトラブルの元になっているのです。

 

兄弟間での無駄なトラブルを避けるためにも、遺産分割協議を開き、お互いに話し合った上で相続方法を決めるようにしましょう。

相続時のトラブルを避けるために最低限の知識を

 

共有相続のリスクを知らずにうかつに選んでしまうと、後々さまざまなトラブルにつながってしまいます。

人間関係のトラブル、コスト、手続きにかかる時間など、トラブル解消のために必要な労力を考えると、相続方法を選ぶ際には、共有は避けて考えた方がよいでしょう。

 

また、相続に関して最低限の知識を持っておくことも大切です。

 

相続時に起こりうるリスクは何か?

どのような制度があるのか?

円滑に相続を進めるためには何が必要なのか?

 

不動産のように、すぐには分けられない財産の相続時には特に、前もってある程度の知識を持っておいた方がよいでしょう。

 

 

 

グリーン司法書士法人・行政書士事務所代表 

山田愼一

 

プロフィール

司法書士 行政書士、グリーンネットワーク代表、グリーン司法書士法人・行政書士事務所代表、一般社団法人日本財産管理協会会員、一般社団法人家族信託普及協会会員、NPO法人渉外司法書士協会会員。

 

経歴

2007年にグリーン司法書士事務所を創設。2010年に相続・高齢者問題への対応強化のため、グリーン行政書士事務所を創設。2014年により迅速な総合サービスを目指して協賛士業とともにグリーンネットワークを構築する。2016年には事務所への年間の相談件数が1,500件に。昨年は不動産相続・相続・信託等に関するセミナーを20件以上開催しており、高齢者問題・不動産相続問題の解決のために精力的に活動し続けている。

 

URL

グリーン司法書士法人・行政書士事務所

http://green-osaka.com/

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