電卓とペン

資産価値はいくら?相続対策で知っておきたい路線価図の見方

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相続財産のうち、土地がどのくらいの割合を占めるかご存知でしょうか?

 

概ね50%前後。つまり、相続財産の約半分を土地が占めているということに。それゆえ、「相続対策=土地対策」といわれるほど、土地の評価額を知ることは重要であり、相続対策の第一歩ともいえます。

 

ただ「土地の価格を調べるのは面倒だ……」と思われる方も多いはず。しかし、ご安心ください。実は、とても簡単です。あなたの手元にあるスマートフォンやタブレット端末、パソコンを使えば、約2分でおよその土地の価格を調べることができます。

 

今回は、地価が高い市街地の宅地の評価を知るための「路線価図」の見方を解説します。

宅地の評価方法は2種類。「市街地」と「それ以外」で異なる

青空と家

相続税路線価は、相続税や贈与税の計算で用いられる価額であり、毎年1月1日時点の価格が毎年7月初旬に公表されます。

 

宅地の評価方法には2種類あり、市街地的形態を形成する地域では「路線価方式」、それ以外の地域では「倍率方式」により評価します。

 

「路線価方式」と「倍率方式」のどちらで評価するかは、以下の「国税庁」のホームページで住居表示から検索してみるとわかります。このサイトでは、過去数年分の路線価を調査できますので、価格の推移も調べてみましょう。http://www.rosenka.nta.go.jp/

 

なお、調べたい宅地の住居表示が路線価図に表示されない場合は「倍率方式」により評価します。倍率方式では「固定資産税評価額×国税局が定める倍率」により評価します。

数値は「平方メートル単価」を、英字は「借地権割合」を示す

虫眼鏡で家を見る男性

路線価図の道路部分には、数値と英字が記載されています(例:300C)。数値は、その道路に面する宅地1平方メートルあたりの価額(単位:千円)を表します。日本で最も高いとされる銀座四丁目の鳩居堂の前の路線価(平成28年)は1平方メートルあたり3,200万円。この路線価に宅地の面積を乗じることで、大体の価額(自用地価額)を求めることができ、上記の銀座四丁目の土地を100平方メートル保有している場合の評価額は32億円(3,200万円×100平方メートル)となります(実際には奥行や広狭等による補正を施します)。

 

英字は借地権割合であり、A~Gで表示されます。Aは90%、Bは80%、Cは70%と10%ずつ低くなり、Gは30%。利用価値が高い土地はAに、利用価値が低い土地はGに近くなります。例えば、借地権割合がAと表示される土地は、借りる方の権利割合が90%、貸す方の権利割合は10%に。借地権割合がCと表示される土地であれば、借りる方の権利割合は70%、貸す方の権利割合は30%となります(普通借地権の場合)。

 

なお、借地権とは「建物の所有を目的とする地上権や土地の賃借権(賃貸借)」を指し、青空駐車場を貸し付けている場合や、宅地を無償で子に貸し付けている使用貸借では、借地権は発生せず、土地を貸す側の評価は空地と同じ(100%)、借りる側の評価はゼロです。

路線価図の見方をマスターすることは相続対策の大きな武器に

虫眼鏡と家

また、アパートの敷地は「貸家建付地」といい、自宅土地や空地の評価額(自用地価額)に「1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合」を乗じた価額となります。借家権割合は全国一律30%で、賃貸割合は賃貸できる床面積のうち、貸付に供されている床面積の割合であり、満室の場合は100%、全室がしばらく空室であった場合は0%となります。つまり、借地権割合が70%(表示はC)、アパートが満室である場合、評価額は21%(70%×30%×100%)下がります。

 

路線価方式における評価額は、実際には奥行の長短、敷地の広狭などにより、さまざまな補正を施して評価しますので、実際の相続税の申告などでは、税理士などの専門家に相談すべきですが、約2分あれば「通信機器で路線価を調べる」「土地の面積を乗じる」「借地権が設定されている土地やアパートの土地の場合、調整を施す」といった3ステップで大体の価格を把握できます。

 

土地を多く持つ方はもちろんのこと、資産家層を顧客とする方にとって、路線価図の見方をマスターすることは大きな武器となるでしょう。スマートフォンやタブレットで路線価図を調べながら街を散策する習慣を身につければ、その街の“土地価格通”になれるかもしれませんね。

 

筆者:益山真一/ファイナンシャル・プランナー

「3大資金(住宅・教育・老後)」を効率的に手当てし、ライフプランを実現するための家計管理を提案するファイナンシャル・プランナーとして、セミナー・執筆、相談を展開。仕事の目標は、お客様の「心、体、お金、時間、仕事」のバランスの改善による幸せ実現。セミナーは平成28年10月末時点で累計2,520回を数える。

■HP:http://www.fp-masuyama.com/

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