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民泊ビジネスに追い風?取り巻く法律の動きを弁護士が解説

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安倍政権は経済効果を狙い、訪日外国人の目標を、2020年に4,000万人、2030年には6,000万人としています。ただ、この目標人数に対し、現状でも不足している宿泊施設(ホテル・旅館など)で対応することは不可能です。

 

そこで、今、ブームとなっている、一般の民家(空き家・空きマンション)を貸し出す「民泊ビジネス」に関して、政府は規制緩和を試み推進する姿勢を見せ始めました。民泊には、大きなビジネスチャンスが到来しているといえます。

大幅な規制緩和と同時に違法民泊に対する取り締まり強化へ?

手錠をかけられる男性

昨今、大手のAirbnb(エアービーアンドビー)をはじめ、民泊斡旋サービスを利用する貸主・借主が急増加しています。旅館業法の登録をしていない貸主が大半を占めていますが、宿泊施設の不足を補っている側面もある上、昭和23年に制定された旅館業法が想定していなかった事態であるため、長らく本格的な取り締まりがされていませんでした。

 

「法が実態に追いついていない」という状況が続いていましたが、現在、実態に対応するため、各省の有識者会議で「民泊新法」の案を詰めています(2017年の通常国会へ提出の予定)。内容としては、大幅に規制緩和をした内容となることが予想されますが、それだけに今後は、違法民泊に対しては取り締まりが厳しくなるでしょう。

 

現在でも、大きな利益を上げている違法民泊に対しては狙い撃ち的に取り締まりが行われており、大きなビジネスであるからこそ法令の遵守は必須といえるでしょう。

民泊を始める地域の自治体の条例を遵守することが必要

リビングにキャリーバッグ

民泊ビジネスを始める際には、現在の旅館業法、民泊新法(仮名)、政令、条例等を遵守しなければなりません。ここで注意すべきは「民泊規制は全国一律ではない」ということです。

 

現在でも、国家戦略特区であれば旅館業法の適用はなく、その特区の条例の基準さえ満たしさえすれば民泊が可能となっています。つまり、今後、民泊を始めようとする地域の自治体の条例を遵守することが必要となってきます。

 

また、民泊物件を投資用に購入する場合、建築基準法等の法令に違反していないかを含め、当該物件で民泊営業が可能かを各自治体の保健所に確認しましょう。例えば、ワンルームマンションを投資物件とする場合、管理規約に民泊「不可」の条項がないかの確認は欠かせません。

民泊ビジネスは将来に向けて大きな可能性を秘めている

以上、民泊をはじめる際には、さまざまな手続きに加え、法令や各自治体の条例等を遵守する必要があり、頭を悩ませることでしょう。

 

しかし、政府は、「地方創生」の推進も大きな目標として掲げているため、地方の物件を外国人のみならず日本人に貸し出すというビジネスも考えられます。民泊ビジネスが、将来に向けて大きな可能性を秘めていることは間違いないでしょう。今後の法律の動向を注視し、民泊ビジネスが成功されることを祈っております。

 

筆者:林孝匡/弁護士

平成22年12月、弁護士登録(大阪弁護士会)。不動産関係の案件を中心に、債権保全・債権回収など、主に民事事件を取り扱う。また、予防法務に注力しており、クライアント企業が抱える法的問題点をトラブルに発展する前に発見し、裁判まで見通した上で進言。また、万が一、トラブルになった場合でも、クライアント企業に有利な解決に導くための法的アドバイスを行う。

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