最適な住宅設備を選ぼう!地域環境に合わせたエネルギーの選択

  • Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

住宅を購入する上で、「価格」や「間取り」はほとんどの方がこだわる要素です。一方、「住宅設備」については与えられたものをそのまま使用している方が多いのではないでしょうか。

 

住宅設備とは、「換気設備」「給湯設備」「空調設備」「給排水設備」などのこと。これらはエネルギー問題に直結するため、今後それぞれの家庭で最適なものを選択することが求められます。

 

そこで今回は、戸建て住宅やマンションなど住宅を購入する際に考えたい「住宅設備計画」についてご紹介します。

「電気設備」の選択!発電設備・蓄電設備の導入とは

 

電気設備の主流は、地域を統括する電力会社から送電される電気を活用する方法(大手電力会社からの受電方式)です。電力会社は、所有している発電所(火力、水力、原子力など)で作られた電気を27.5万~50万ボルトほどの超高電圧で送電しています。そして複数の変電所を経て、最終的に電信柱の上に設置されている変圧器(トランス)で100ボルトもしくは200ボルトに変圧して各家庭に届けられています。

 

この送電システムには、昔から大きな2つの課題が存在しています。

 

ひとつは、「送電ロス」です。送電ロスとは、発電所から各家庭に電力が届けられるまでの間に電力が一定量自然に喪失してしまうことです。また、電力は常に需要よりも供給が多いもの。そのため、使用されなかった電力の大半が無駄となってしまうことも送電ロスに含まれています。

 

もうひとつの課題は、「自然災害による大規模停電被害」です。現代でも下記のような自然災害をとおして、多くの方が大規模停電の可能性を実感しているでしょう。

 

・2011年:東北地方太平洋沖地震
・2016年:熊本地震
・2018年:西日本豪雨(平成30年7月豪雨)
・2018年:北海道胆振東部地震(北海道大停電)

 

このような2つの課題があるにも関わらず、昭和・平成と大手電力会社による電力供給のみに頼っていました。しかし、令和の時代となった今、電力の供給方法にも大きな変化が生じてくると考えられています。それが「地域型発電(家庭での個別発電を含む)」「蓄電設備の導入」です。

 

●地域型発電(家庭での個別発電を含む)
地域型発電とは、市町村単位以下の小規模な地域・地区の中で発電設備を保有して、限定された地域へ送電をおこなうものです。その中には、「マンション単位での発電」「各家庭(戸建て住宅)単位での発電」なども含みます。
基本的には従来の電力供給と併用する形ではありますが、各家庭において電力の供給をどのような配分で受けるのかを精査・判断していく……そんな未来が近づいています。

 

●蓄電設備の導入(家庭用蓄電池、電気自動車)
蓄電設備とは、電気を貯めておくことができる設備のことです。電気の流れ方の違いはありますが、大型のバッテリーや電池のようなものを指します。
蓄電池の研究・開発はおこなわれ続けていて、現時点でも平均的な家電製品の使用(消費電力量約430W程度)に対して、約8時間~20時間程度の連続使用が可能です。(※1)

 

大手電力会社による電力供給よりも家庭用蓄電池を利用したほうが、電気料金がお得なケースも少なくありません。そのため、家庭用蓄電池を導入するかどうかを精査・選択すべきだと言えます。
また、今後は電気自動車も「家庭用蓄電池」としての役割を担える要素として期待されているのです。

 

 

(※1)使用時間は家電製品やその使い方によって異なります。

「ガス設備」の選択!プロパンガスなら必ず比較検討を

 

家庭用のガス設備には、「都市ガス設備」と「プロパンガス設備(LPガス)」の2つのガス供給方式があります。「なんとなく、都市ガス設備のほうがいい……」そのように思っている方も多いのではないでしょうか。それは大きな勘違いなのです。以下でガス設備について詳しくみていきましょう。

 

●ガス設備として優秀なのは「プロパンガス設備」?
ガス設備の機能性を考えるには、熱量(火力)・燃焼効率・料金など複数の要素を対象として比較する必要があります。そのため、単純に都市ガス設備とプロパンガス設備の機能性優劣をつけることはできません。
ただし「熱量(火力)」については、都市ガスと比べるとプロパンガスはなんと2.23倍もの熱量(火力)を有しているのです。つまり、ガス設備として効率的なのはプロパンガス設備と言えます。

 

●地域によって異なる料金
都市ガスよりもプロパンガスは料金が高いと思っている方は多いのではないでしょうか。
しかし、地域・エリアによって、都市ガスが安いエリアもあれば、プロパンガスのほうが安いエリアも存在しているのです。

 

都市ガスは大手ガス会社から供給されているので、地域差(ガス会社による差)は多少あるものの、ある程度一定の価格帯となっています。一方プロパンガスは自由競争の対象となっているため、業者によっても大きな価格差があるのです。そのため、プロパンガス設備を導入する場合は、しっかりとブロバンガス業者を比較検討してから導入先を決めることが不可欠です。

災害リスクを減少するためにエネルギー源の分散を!

 

2000年代前半をピークに「オール電化住宅」が促進されていました。しかし、2011年の福島原発事故の発生をきっかけに、電気のみに頼るエネルギー消費は災害リスク上好ましくないことが明らかとなったのです。
今後はエネルギー資源を電気のみに頼るとしても、先に述べた地域発電や蓄電池設備など「エネルギー源の分散(エネルギー供給方法の分散)」が防災リスクを軽減するために必須な要素となります。
防災リスクは地域ごとに内容が大きく異なるので、住んでいる地域の防災情報を確認しましょう。

 

 

住宅設備は住宅購入時のままの状態で使用し続けている人が多いものです。しかし、住宅設備(エネルギー資源)を各自の価値観に合わせて、「何が最適なのか」を見出していくことが求められる時代に移り変わっています。

契約上の問題や住宅の物理的な要因によって、住宅設備を選択できることもあればできないこともあります。まずは一度、ご自宅の住宅設備計画がどのような内容となっているのか確認してみましょう。

 

 

執筆者:榑林 宏之
一級建築士・防災アドバイザー
一級建築士として活動。「都市環境・住宅環境と防災」「都市環境・ランドスケープ計画における、人の行動・動線設計と危機管理」などに携わっています。

 

BAUMPLANNING一級建築士事務所
URL:https://www.baumplanning.com/nairankai/

  • Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加