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喉の痛み・頭痛はマイホームが原因!?シックハウス症候群とは?

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新居での生活に慣れてきた頃に起こる、のどの痛みや頭痛などの症状。風邪かと思って放っておくとなかなか治らず、実は家や家具が原因で起こる「シックハウス症候群」かもしれません。

 

そこで今回はシックハウス症候群の症状・原因・対策について、住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所を主宰する、井上恵子さんにお伺いしました。

 

3.4月に要注意!気温の上昇にも影響される「シックハウス症候群」

シックハウス症候群

 

—―まずはシックハウス症候群の定義について、教えてください。

 

「シックハウス症候群」とは、室内の空気汚染を原因とする健康被害の総称です。

1990年代、住宅に使われるフローリングなどの木質建材、ビニールクロスなどの壁材や接着剤などに含まれる、ホルムアルデヒドを代表とするいくつかの化学物質が原因で不快な症状を引き起こすとし、シックハウス症候群が問題視され始めました。シックハウス症候群によって引き起こされる症状には、鼻水、のどの痛み、目がチカチカするなどの粘膜症状から、めまい、吐き気、頭痛、湿疹がでるなどの全身症状があげられます。」

 

――シックハウス症候群にかかりやすい時期、気をつけた方が良い時期はありますか。

 

「シックハウス症候群を引き起こす化学物質の多くが揮発性のため、暖かくなると放出されやすいといわれています。そのため、3月末や4月から夏にかけて特に注意が必要です。また、住宅を建てる方は「3月に工事完成、4月に転居」の予定で考えられている方が多いので、入居直後は要注意ですね」

 

シックハウス症候群の原因は、住宅だけではなく家具にも潜んでいる

体調不良

 

――では、シックハウス症候群の原因となる物質について教えてください

 

「シックハウス症候群の代表的な原因としては『建材や内装材の中に含まれる化学物質・結露により発生したカビ、ダニ・石油ストーブや調理器具の使用による一酸化炭素、二酸化炭素、窒素・たばこの煙』などがあげられます」

 

※シックハウス症候群の原因物質

・建材や内装材の中に含まれる化学物質
・結露により発生したカビ、ダニ
・石油ストーブや調理器具の使用による一酸化炭素、二酸化炭素、窒素
・たばこの煙

 

――住宅の構造などもシックハウス症候群の発症と関係していますか?

 

「国の省エネ推進が加速し、住宅の高気密・高断熱化はますます進んでいます。そのため、十分な換気がされていないと、発生した化学物質や有害ガスが家の中に閉じ込められ、人体に影響を及ぼすようになりました。シックハウス症候群の原因となる化学物質の中で最も有名な「ホルムアルデヒド」は発がん性を指摘されています」

 

――その他、シックハウス症候群の原因となる化学物質は、具体的に何に含まれているのですか?

 

シックハウス症候群の原因となる化学物質は、住まいの中ではカウンターや窓枠などに使われる集成材、ビニールクロスなどの壁紙、接着剤、木質系フローリング・カーテン・新品の家具・塗料(ペンキ)などに含まれていると考えられます」

 

――では、シックハウス症候群の原因を避けるために、気を付けたほうがよいことはあるのでしょうか。

 

大事なのは、化学物質ができるだけ含まれていないものを選ぶことです。2003年以降、ホルムアルデヒドが含まれる可能性のある製品には、ホルムアルデヒドの放散量を☆マーク付きのラベルで表示するようになりました。最もよく見かけるものが「F☆☆☆☆」(呼び方はエフ・フォースター)です。「F☆☆☆☆」ラベルは住宅建材だけではなく、新品の家具やカーテンなどにも掲示されており、購入の際に見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。Fの後に続く☆の数は4つ~1つまであり、☆の数が多い方、つまり「F☆」よりも「F☆☆☆☆」の方が、安全性が高くなります。」

 

※☆マークの数と内装仕上げに使う場合の面積制限   ☆の数が多いほど安全

・F☆☆☆☆:発散量が極めて少なく、無制限に使用できる
・F☆☆☆とF☆☆:使用面積の制限がある
・F☆:使用禁止

 

近年使われている建材や内装材はホルムアルデヒド発散量が最も少ない「F☆☆☆☆」製品がほとんどです。ご自身で家具やカーテンを購入するときにはぜひFマークに続く☆の数を確認してください。ただ、シックハウス症候群の原因になる化学物質はホルムアルデヒドだけではないこと、化学物質を一切使っていない無垢の木にも反応が出るなど、アレルギーや体質によって、予測できない反応が出ることがあります。

 

1番効果的なのは換気!シックハウス症候群にならないための予防・対策

換気

 

――シックハウス症候群を防ぐには、どんな予防策がありますか。

 

「新築やリフォーム物件の場合、できれば入居の2~3日前から窓を全開にし、家全体の空気を入れ替えてください。入居後もしばらくは窓を開けて積極的に換気をしましょう。盲点なのが、日々の日用品からでる化学物質です。完全に避けることは難しいですが、芳香剤・防臭剤・殺虫剤などは、できるだけ減らすか自然由来のものを使うようにしてください。そのほか、衣類にホルムアルデヒドなどの物質が付着するのを防ぐために、新しい家具には直接いれず、ビニールなどに包んでから片づけるのも効果的です

 

井上恵子さん

 

――もし、シックハウス症候群にかかってしまったら、まず私たちがすべきことは何でしょうか。

 

「シックハウス症候群が起こってしまった場合、一番効果的な対策はやはり換気だといわれています。そのため、まずは窓を開けて換気扇を回し、家の中の空気を入れ替えましょう。窓が開けられない時でも24時間換気システムは切らずに回し、特に、カビが発生しやすい浴室などは換気を心掛け、換気扇はしばらくつけっぱなしにしておきましょう。また、体内の化学物質の一部は、肝臓などで解毒・分解され汗や尿として排出されることもあります。適度な運動で代謝をよくし、化学物質を体から出すのも症状緩和に繋がりますね」

 

「新居になってから喉の痛み・頭痛がする……」もしかすると原因はシックハウス症候群かもしれません。
定期的な換気や掃除で、室内の空気を入れ替えてみましょう。

 

また、これから家を建てるという方は、建材や家具に化学物質がどの程度含まれているか確認した方が良いでしょう。ちょっとした手間で、シックハウス症候群を予防できます。

 

 

 

住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所 主宰 井上恵子
<プロフィール>
一級建築士/インテリアプランナー
総合建設会社の設計部で約14年間、主にマンションやオフィスの設計・インテリアデザイン、性能評価などを担当したのち2004年に独立。
独立後は子育ての経験を生かし保育園の設計などを行う傍ら、「安心・安全・快適な住まい」をテーマに生活・情報サイトでの記事執筆、新聞へのコラム掲載、マンション購入セミナーの講師として活躍。
著書に「住宅リフォーム計画」(学芸出版社/共著)「大震災・大災害に強い家づくり、家選び」(朝日新聞出版)などがある。

 

<URL>
住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所
http://atelier-sumai.jp/

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