間取り表示の決まりを知っていますか?

間取り表示の決まりを知っていますか?

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不動産のチラシやインターネットなどの物件情報には、3LDKなどのように間取りが記載されています。

 

普段何気なく見ているこうした間取りの表記には決まりがあるのですが、その基準は意外と知られていないのではないでしょうか。

 

ここでは間取り表記の決まりについてご紹介します。

不動産の表示に関する規則がある

不動産の表示に関する規則がある

 

不動産の広告などの表記については「不動産公正取引協議会連合会」という団体が一定の基準を定めています。この団体は、“不動産の公正競争規約の統一的かつ効率的な運用を図り、消費者に対する適正な情報の提供を推進することを目的”に設立された全国9地区の不動産公正取引協議会をまとめる組織です。

 

原則としては、ここで定める「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」に従って、皆さんが目にする不動産の広告などの情報は表記されています。この規則では、様々な不動産に関する言葉の定義や広告掲載に必須の情報、文字の最低限の大きさなどまで細かく規定しています。

 

例えば、駅などから物件までの所要時間としての徒歩何分という表記がありますが、この表記に関して以下のように規定しています。

 

【所要時間の規定】
・徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示すること
・1分未満の端数が生じたときは、1分として算出すること

 

※注意点
途中の信号や踏切、坂道といった歩行の障害となるものを考慮していません。そのため、例えば上り坂が途中にある場合は、思った以上に時間がかかることがありますが、あくまで表記上は80mを1分として求めたものなので、表記に問題はないことになります。

 

従って駅から徒歩5分の物件であれば、実際には、駅から道なりに分速80mで歩いて4分超5分以内ということなり、距離にして320m~400mの範囲にあることになります。

 

このように詳しく見ると、同じ徒歩5分の物件でも、320mと400mではだいぶ違っており、体感距離としては同じ距離には思えないかもしれません。

 

引用・参照:不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約及び施行規則(平成28年4月1日改正施行)」
https://www.jfftc.org/rule_kiyaku/pdf_kiyaku_hyouji/real_estate.pdf

ダイニング・キッチン(DK)とリビングダイニング・キッチン(LDK)の違い

ダイニング・キッチン(DK)とリビングダイニング・キッチン(LDK)の違い

 

住宅を購入する、あるいは賃貸住宅を借りる場合でも、物件を選ぶ際にはまず「間取り」を選ぶ方が多いのではないでしょうか。少し意外かもしれませんが、DKやLDKの表示の目安となる基準については、平成23年(2011年)11月11日付で先の基準で定められるまで明確な基準がありませんでした。

 

そのため、以前は2DKよりも狭い2LDKというケースもよく見受けられました。この表示基準が定められたことで、現在はそうした違和感のある間取り表記は少なくなっています。DKとLDKの表示についても基準がありますのでその違いについては以下のように分けられています。

 

【DKとLDKの違い】
・DK
「台所」と「食堂」の機能が1室に併存している部屋

・LDK
「居間」と「台所」と「食堂」の機能が1室に併存する部屋となっています。

 

●「DK」と「LDK」の広さの違いについて
さて、本題の「DK」と「LDK」の表示は、必要な形状や機能を備えたうえで、居室の数によって最低限の広さ(畳数)が以下のように決められています。

 

【最低必要な広さ(畳数)の目安(下限)】

居室(寝室)数 DK LDK
1部屋 4.5畳 8畳
2部屋以上 6畳以上 10畳以上

 

また、間取りを表示するにあたって「形状や機能がどのようなものであるか解るよう積極的に間取図などを表示し、これに各部屋の畳数を付記することが望ましい」とも記載されていますので、一般的な間取図では畳数で表示されています。

 

なお、畳数で表示する場合においても基準があり「畳1枚当たりの広さは1.62平方メートル(各室の壁心面積を畳数で除した数値)以上」の広さがあることとなっています。この畳1枚当たりの広さにも1.62平方メートル以上としているのは、畳にも地域や建物によって使用される畳の大きさが異なるからです。

 

【畳の大きさのおおよその目安】
・西日本で広く使われる京間(本間ともいわれる):1枚1.82平方メートル
・中京地区で多く見られる中京間:1.65平方メートル
・東京を中心とした静岡以北で広く使われている江戸間:1.54平方メートル
・公団住宅やマンション・アパートなどで採用される団地間:1.445平方メートル

 

最も大きな京間と最も小さな団地間を比べると、団地間は京間の約80%で、京間の6畳は団地間の8畳とあまり変わりません。このように畳にも地域や建物で差があるため、畳1枚の広さについても基準を設けています。

 

引用・参照:不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約及び施行規則(平成28年4月1日改正施行)」
https://www.jfftc.org/rule_kiyaku/pdf_kiyaku_hyouji/real_estate.pdf

 

引用・参照:不動産公正取引協議会連合会「表示規約施行規則、実施細則、DKLDKの広さ(畳数)の目安となる指導基準」
rftc.jp/webkanri/kanri/wp-content/uploads/2019/02/h_sekoukisoku.pdf

サービスルーム(S)や納戸(N)と居室の違い

サービスルーム(S)や納戸(N)と居室の違い

 

不動産の間取りの表記では、「2LDK+S」「2SLDK」「3LDK+N」といったものも見ることがあると思いますが、ここで「S」は「サービスルーム」、「N」は「納戸」を表しています。ちなみに2LDK+Sと2SLDKは表記が違いますが間取りの構成は同じです。

 

●「S」「N」の基準とは?
こうした「S」や「N」などの表記のある間取図を見たときに、窓もなく小さな空間であれば、そのまま「納戸」として違和感はないと思います。ところが、窓もあり部屋として使える十分な広さがあるにもかかわらず、「S」や「N」表記となっている空間があります。例えばマンションで「ほぼ同じ間取りである上階の住戸は3LDKとなっているのに、その部屋は2LDK+Sとなっている」場合、建築基準法により「居室」と認められない部屋ということになります。

 

同法で居室として認められるには、採光(光の入り具合)や換気などの基準を満たさなければなりません。採光の基準ではその部屋の「床面積の7分の1以上」の窓面積が必要とされていますので、「S」や「N」表記となる部屋はその採光の基準を満たしていないことが多くなっています。

 

●「S」「N」を確認する際の注意点
こうした部屋は、広さなどが十分であれば、使い勝手としては居室とほとんど変わりません。ただし、建築基準法で居室として認められないために、行政などの指導によりコンセントやTVジャック、エアコン設備を設置できないことがあります。この点はパンフレットや現地で実装される設備を確認するなど注意が必要です。

 

また、最近は「DEN」や「F(フリールーム)」という記載のある間取りもありますが、「S」や「N」との明確な違いはありません。なお、「DEN」は“ほら穴”という意味で、書斎や趣味の部屋という意味合いを込めて表記されることが多くなっています。

間取り表記を覚えて、物件探しに役立てよう

間取りの表記についての基準をご紹介しましたが、何気なく見ている物件情報の表記にも様々な基準があります。こうした基準の内容を知っておくと不動産の見方が変わるかもしれません。

 

例えば、希望の予算では3LDKは見つからなかったものの、それほど使い勝手の違わないことを知ることで2LDK+Sも視野に入り、希望の物件が見つかるかもしれません。

 

正しい不動産情報の表示の意味を知ることは、物件探しにも役立ちますので、ぜひ覚えておいてください。

 

執筆者 秋津 智幸
不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。
横浜国立大学卒業後、神奈川県住宅供給公社に勤務。その後不動産仲介会社等を経て、独立。現在は、自宅の購入、不動産投資、賃貸住宅など個人が関わる不動産全般に関する相談・コンサルティングを行う。その他、不動産業者向けの企業研修や各種不動産セミナー講師、書籍、コラム等の執筆にも取り組んでいる。
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