0.5mm以上に要注意。外壁ひび割れの原因とメンテナンス

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自宅にひび割れを見つけるとドキッとしますよね。それは、老朽化や欠陥を表す、見過ごせないサインかもしれません。ひび割れは100%防ぐことはできないもの。だからこそ、早期発見・早期対応が大切です。

 

これまで42,000件超のホームインスペクション(住宅診断)実績のある、さくら事務所ホームインスペクション関西の代表、大森 敞彦さんに、ひび割れの原因やメンテナンスの重要性について、詳しく伺いました。

雨水の浸入・露筋・カビ。ひび割れによる被害と影響

 

「ひび割れ」の代表的なものには、住宅の基礎立ち上がり部分のひび割れがあります。コンクリートの基礎にモルタルを塗っている部分に起きるひび割れで、モルタルに0.5mm以上のひび割れがある場合は内部のコンクリートまで割れているかもしれません。

 

モルタルのひび割れがあった場合、床下に潜ってみてください。床下側にはモルタルが施工されていないため、コンクリートのひび割れの具合を直接確認できます。また、築30年以上の物件では、露筋(ろきん)といって、腐食した鉄筋があらわになる現象もあるので、中古住宅を検討している方は要確認・要注意です。

 

他に、木造住宅に多いのは「シーリング」部分のひび割れです。シーリングとは、外壁素材の一種である外壁の継ぎ目に、合成樹脂や合成ゴム製のペーストを充填して繋ぎ合わせること。このシーリングは、7〜10年ほどで劣化し、硬化してひび割れを起こします。こうしたひび割れが進むと、住宅に被害がもたらされる怖さがあります。

 

代表的な被害は、外部からの雨水の浸入です。モルタル内部のコンクリートも割れていると、ひび割れから雨が入ってきてしまいます。すると、鉄筋コンクリートが錆び付き、コンクリートの強度が低下するので危険です。また、雨水の浸入を防ぐ役割を持っているシーリングのひび割れが起きると、雨水が入ってきてしまい、湿った木材が大好物であるシロアリの被害が起こりやすくなります。雨水が浸入することで、住宅にはさまざまな悪影響が起こるのです。

 

進行すると恐ろしいひび割れは、地震などの揺れによって起こることももちろんあります。しかし、一番大きな原因は経年劣化です。毎日、太陽の光や雨風を受けていると、少しずつ劣化が進みます。特に、日当たりの良い南向きの壁は劣化率が高いそう。そして、注意すべきは、冬に起こる結露だといいます。

 

目に見える結露はまだいいのですが、厄介なのは壁の中にある、見えない『壁内結露』 です。『なんか嫌な臭いがする』とプラスターボードを取って調べたら、ひどい状態だったということもよくあります。壁内結露を放置しておくと、住宅の耐久性が弱まりひび割れにも繋がるので、放置しておいてはいけません。

 

大きなきっかけによってではなく、日々じわじわと進行してしまうのが、ひび割れの恐ろしいところなのです。

 

ひびの幅が0.5mmを超えるか超えないかで、要注意度合いが変わる

 

ひび割れは、「幅」「物件の築年数」によって重症度が変わると、大森さんは話します。

 

ひびの幅が0.5mmを超えるか超えないかで、要注意度合いが変わります。また、当然ですが一番大事なのは、ひび割れが起きている建物自体の状態です。1981(昭和56)年5月31日までの建築確認において適用されていた『旧耐震基準』の基に建てられた建物だと、ひび割れが大きな被害に結び付きやすいと考えられます。

 

こうしたひび割れの重症化を防ぐために大切なのが、定期的なメンテナンスです。そのために、マンションに住む人、戸建てに住む人がそれぞれ心掛けておきたいことがあるといいます。

 

マンションの場合、ひび割れが大きな被害をもたらすのを防ぐためには、マンションの管理組合がきちんと機能しているのかが肝となります。機能していれば、ひび割れを定期的に修繕してくれるためです。そのためにチェックしてもらいたいのが、大規模修繕履歴。ここには、過去にマンションへどういった修繕を施したかが記録されています。たとえば、『ここ10年ほど修繕が行われていない』『2年前に修繕しているのに、ひび割れは放置されている』といった場合は危険です。

 

また、同時に「修繕積立金」が計画通り貯まっているのか、滞納者はいないかなどにも目を通すといいそうです。こうした修繕をきちんと計画的に行うことができるマンションであれば、日頃からメンテナンスを重視していて、ひび割れはもちろん地震等に向けた対策もきちんと打ってくれているはずだからです。

 

一方で、管理を任せることができない戸建てに住む方は、メンテナンスへの意識を高めることが重要だといいます。

 

戸建てに住む方には、『マンションに住む場合の管理費を払うつもりで、月1万円を長期修繕積立金として置いておいてください』と必ずアドバイスします。マンションは12〜15年おきに修繕を行いますが、戸建てで修繕を行う方は少ないものです。毎月貯金しておいて劣化が表れてくる15年目あたりで、貯まった修繕金を元手に屋根の葺き替えや塗り替え、外壁の汚れの洗浄、基礎の補修などを行うのがベストです。その際、足場費用がかさみます。何度も足場を掛けなくても良いように、屋根や外壁は一度に修繕するのが経済的です。」

 

壁紙を貼り替えたり、キッチンを広くしたりといった目に見えるリフォームだけでなく、家屋を強化するためのメンテナンスにお金を掛けることで、次の15年も安心して住み続けることができるのです。

 

業者に依頼すべきタイミングや、日々できるひび割れのメンテナンス方法とは?

 

ひび割れは、目に見える被害が起こる前にメンテナンスすることが重要です。たとえば、雨水が浸入してきたり、鉄筋が錆びてきてしまったり、シロアリが出てきたりしてしまったときにはもう進行が進んでおり、業者に対応をお願いするしかないからです。そうなってしまうと、多くの費用が掛かってしまいます。

 

ひび割れは、劣化などが原因であるため防ぐことはできません。けれど、早期発見やメンテナンスの実施によって、被害を最小限に抑えられます。まずは、1年に1回、年末大掃除のタイミングのついでなどに、家をぐるりと回ってひび割れなどがないかを確認しましょう。もしひび割れがあれば、クラックスケールという道具でひびの幅を測ってください。ホームセンターに数百円で売っています。ほかにも、0.5mmのシャープペンシルの芯を差し込んでみるという方法もあります。また、変化を確認できるように、今の状態を撮影して残しておくこともおすすめです。

 

他にも、自分の手でできるひび割れのメンテナンス方法は色々あります。クロスを貼り替えたり、ホームセンターで販売しているひび割れ対応のボンドでひび割れを埋めたりするだけでも、修繕ができるのです。

 

メンテナンスさえ続けていけば、大きな被害を抑えられるひび割れ。だからこそ、日々の生活の中で少しでも「ひび割れに関心を向ける」ことから始めてみてください。

 

 

 

 

さくら事務所ホームインスペクション関西 代表 大森敞彦

<プロフィール>

業界NO.1(42,000件以上)の実績を誇るインスペクション事務所、さくら事務所ホームインスペクション、関西の代表。

建築や不動産に関わる中で「不動産トラブルを1つでも減らしたい」という思いからホームインスペクターに。2012年10月に関西支部の開業以来、400件超の調査実績を誇る。

専門家ながら、わかりやすく親しみやすい調査・報告に定評がある。ホームインスペクションのリーディングカンパニーとして果たす役割の大きさを実感し、日々依頼者の相談に耳を傾け、アドバイスを行っている。

 

<URL>

http://00002.sakura-his.com/

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