理想だけで選ぶと大失敗?ルーフバルコニー選びのポイント

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都内の狭い土地でも実現できるルーフバルコニーは、開放感のあるプライベート空間が人気です。これから自分の家を持とうとしている方からも、「自宅にルーフバルコニーが欲しい」という声はよく聞かれます。もちろん魅力的ではありますが、デメリットがないわけではありません。

 

不動産・マンションに精通した、さくら事務所ホームインスペクション関西の代表、大森 敞彦さんに、ルーフバルコニーのメリット・デメリットやメンテナンスの大切さについて、詳しく伺いました。

 

狭いスペースを有効活用、マンションでも叶う理想のライフスタイル

ルーフバルコニーは、階下の屋根部分に作られたバルコニーのことで、普通のバルコニーに比べ、広くて日当たりが良いことが特徴です。

 

「自宅にルーフバルコニーが欲しい!」と思う方が多いのは、多様な用途を実現できるスペースとその開放感から。たとえば、ルーフバルコニーがあることで下記のような楽しみが得られると大森さん。

 

・ゆったりと朝食やアフタヌーンティーを楽しめる

・家族で手軽にピクニックやバーベキューができる

・友達を呼んで大人数でパーティーを楽しめる

・晴れた日の夜は、寝転がって星空を眺めることができる

・四季折々の風景、場所によっては花火大会なども楽しめる

・芝生を敷くことで、安全な子どもたちの遊び場になる

・家庭菜園やガーデニングができる

 

他にも、ヨガをしたり、ハンモックで昼寝をしたりと、さまざまな用途に使えますよね。ルーフバルコニーがあることによって、いろんなライフスタイルを形成できる点が、人気の理由ではないかと思います。

 

ときには家族みんなで過ごせる空間に、ときには趣味を楽しめるようなプライベート空間に。ルーフバルコニーは、日常の楽しみ方のバリエーションを増やしてくれて「生活をより豊かに彩ってくれそう」という期待感を持たせてくれるのです。

 

憧れで購入する前に知っておきたい、ルーフバルコニーのデメリット

 

ただ、ルーフバルコニーは、利便性が高くおしゃれな空間といったメリットばかりではありません。まず、ルーフバルコニーにまつわるお困りごとの筆頭が、雨漏りです。ルーフバルコニーは、面積が広く、下階が居室になっているため、雨漏りのリスクは高まってしまいます。「1階のリビングでくつろいでいたら、雨漏りが…」ということが起こったら困ってしまいますよね。

 

また、他のリスクとして、大森さんはまず「費用」を挙げます。

 

直下に居室が設けられるルーフバルコニーは、雨漏りが起こらないように防水工事を徹底して行わなければなりません。また、床面の補強工事なども必要です。さらに、建築基準法上で屋根扱いとなるため、不燃性を担保したり、耐火性を高めたりと屋根防火に関する基準を満たす構造にしなければなりません。そうした整備に費用がかかるのです。

 

そして、大森さんが「何より大事」と語るのが、ルーフバルコニーのメンテナンスです。

 

デメリットというわけではありませんが、ルーフバルコニーのメンテナンスが大変だということは覚えておきましょう。雨風にさらされている上に、人が歩いたりすることでさらに劣化は早まります。また、風に吹かれて落ち葉が飛んでくるなど、排水溝にゴミも溜まりやすくなるので、こまめなお掃除が必要です。

 

劣化を放置してしまうと、多大な補修費用がかかることになりかねません。ルーフバルコニーにすると定期的に念入りな清掃を行う手間はかかってしまうでしょう。

 

また、当たり前ですが「夏は暑く、冬は寒い」空間です。だからこそ、「秋冬の限られた時期に、数回しか使わなかった」という方もいるのだとか。具体的な利用シーンや利用頻度をイメージした上でルーフバルコニーの設置を決めないと、「費用をかけて作ったのにまったく使わない⇒だけどメンテナンスは必要⇒放置したら雨漏り」という負の連鎖が生まれてしまうのです。

 

大森さんいわく、「ルーフバルコニーがあることで、住宅の寿命が縮むということはない」そうですが、劣化しやすいスペースであることは覚えておきましょう。

 

ルーフバルコニーのある家に住むなら、購入前にチェックしておきたい4つのポイント

 

では、「デメリットを知った上でルーフバルコニー付きの家に住みたい!」という方は、購入前にどのようなポイントに気を付ければいいのでしょうか。4つに絞ってお伝えします。

 

大森さんは、まず「ルーフバルコニー自体の性能を理解してほしい」と話します。

 

ルーフバルコニーの床の多くは、強度・耐水性などが優れたFRP=『繊維強化プラスチック』で作られて、その上にウッドデッキなどを敷きます。ただ、最近では金属屋根が採用される場合もあります。どちらがいい悪いではなく、今後のメンテナンス方法を検討する上でも、まずはどんな素材で作られているのかを知りましょう。また、防水機能はどの程度なのか、耐火性能は十分で基準を満たしているのかなどを確認してください。このような情報は、施工要領書に記載されています。

 

また、2つ目に大切なのは断熱性の確認です。ルーフバルコニーは外気に接しているため、一般の居室よりも断熱性を高めないと、直下にある居室が気温の影響を受けやすいもの。そのため、断熱性がとても大切です。「ルーフバルコニーがあるために、生活に支障が出る」といった状況が起きないためには、このような部分への配慮が必要になります。3つ目のポイントは、ルーフバルコニーに対する「保証」の確認です。10年保証が多いそうですが、早期にトラブルが起きる場合に備えて、きちんと保証付きのものを選びましょう。

 

そして、最後のポイントとして、大森さんは「工務店さんとの話し合い」を挙げます。

 

工務店さんは、『できるだけお客様の希望に応えてあげたい』という思いでルーフバルコニーを作ってくれるかもしれませんが、作るときに無理をして、雨漏りが起こりやすくなったり、排水の経路が複雑になったりしてしまっては本末転倒です。実現したいルーフバルコニー像とあわせて、裏に潜むリスクについても合わせて聞いてみてください。

 

後々のトラブルを防ぐためにも、事前に負の側面について尋ねることは重要です。できればルーフバルコニーの施工実績が豊富な工務店さんに頼むと安心です。以下の4つのポイントに注意して、後悔のない購入を目指しましょう。

 

ポイント1:ルーフバルコニー自体の性能を理解する

ポイント2:断熱性の高い素材を利用する

ポイント3:保証の有無と期間を確認する

ポイント4:工務店さんにリスクやデメリットについて確認する

 

定期的なメンテナンスと掃除で理想の生活を実現

 

いよいよルーフバルコニー付きの家に住んだら、後は定期的な点検とメンテナンスを行いましょう。

 

排水溝のゴミは定期的に掃除しつつ、年に1度は敷いているウッドデッキを外してゴミを取るなどのメンテナンスを行ってください。メンテナンスの方法は、インターネット上にもたくさん情報があるので調べてみましょう。

 

ルーフバルコニーに憧れてメリットだけを見るのではなく、デメリットや手間がかかるメンテナンスについてもあらかじめ知っておくことは大切です。知ることで、納得してルーフバルコニー付きの家を選ぶことができます。そして、住んだ後も十分にルーフバルコニーを活用して、快適な暮らしを実現できるでしょう。

 

 

 

さくら事務所ホームインスペクション関西 代表 大森敞彦

<プロフィール>

業界NO.1(42,000件以上)の実績を誇るインスペクション事務所、さくら事務所ホームインスペクション、関西の代表。

建築や不動産に関わる中で「不動産トラブルを1つでも減らしたい」という思いからホームインスペクターに。2012年10月に関西支部の開業以来、400件超の調査実績を誇る。

専門家ながら、わかりやすく親しみやすい調査・報告に定評がある。ホームインスペクションのリーディングカンパニーとして果たす役割の大きさを実感し、日々依頼者の相談に耳を傾け、アドバイスを行っている。

 

<URL>

http://00002.sakura-his.com/

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