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二世帯住宅を建てるのに必要なお金と適切な支払いプランの考え方

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二世帯住宅を建てる際には、単世帯用の住宅を建てる場合と比べて、どのようなお金が掛かってくるのでしょうか?また、親世帯と子世帯でどのように支払っていくのがベストなのでしょうか?その辺りの「二世帯住宅にまつわるお金の問題」が気になるという方は多いかもしれません。

 

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今回は、住宅購入のコンサルティングに従事し、二世帯住宅の相談・サポートも行っている家づくりコンサルティング株式会社の代表・熊谷一志さんに、二世帯住宅に必要なお金と理想の支払いプランについて詳しく伺いました。

 

二世帯住宅の建て替えに必要な諸費用とは

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二世帯住宅を建てるとき、新しい土地を買って家を建てる場合と、現在所有している土地に家を建て替える場合の2種類があります。割合としては、建て替えを選ぶ方の方が多いようです。

 

建て替えを行う際には、家を建てる際に一般的に必要な、建築請負契約時に支払わなければならない費用やローン契約に関わる費用が掛かるのはもちろんのこと、他にも下記のような費用が掛かってきます。

 

・現存の家の解体費用

・仮住まい費用:建て替えの場合は仮住まいが必要。ウィークリーマンションなどに仮住まいをされる方もいる

・引っ越し費用:建て替えの場合は、「仮住まいへの引っ越し」「仮住まいからの引っ越し」の2回引っ越しがあるため、引越し代が2倍になる

 

この中でも、特に注意が必要なのは「仮住まい費用」です。

 

新しい家を建てるためには、早くてワンシーズン(2〜3カ月)、長いと半年ほどの期間を要します。もし、建て替えする土地にもともと親世帯が住んでいて、別の住居で一時的に暮らさなければいけない場合は、費用はもちろんのこと精神的な負担も多く掛かるでしょう。高齢の方にとって、新しい環境で過ごすのはストレスになることが多いものです。

 

こうしたリスクがあることを、あらかじめ認識しておくべきだと熊谷さんは話します。

 

また、二世帯住宅は一般の住宅より規模が大きくなるため、建てるために掛かる費用も多くなってしまいます。特に、玄関やトイレ、キッチンなどが二つあり、各世帯が独立して生活ができる「完全分離型」の二世帯住宅に住む場合は、水回りが2つ必要になることで工事費用も高くなりがちです。あらかじめ、自分たちの理想の暮らしと、それを実現するために掛かる費用を把握しておくことが大切になります。

 

適切な支払いの考え方とは?

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二世帯住宅を建てる際に掛かる費用を、親世帯と子世帯でどのように負担すればいいのだろうかと悩まれる方も多いといいます。

 

熊谷さんは「折半されるご家庭もあれば、『この部分は親世帯、この部分は子世帯』と分けられるご家庭も多いので、『これがベスト』という方法はありません」と前置きした上でこう話します。

 

二世帯住宅は、一般的な単世帯の家よりも規模が大きい分、後々掛かってくる建物の維持費や光熱費などの費用も大きくなります。つまり、これから先、長くそうした費用を払い続けなければならないので、親世帯の負担を前提にした支払いの組み方では将来的に苦しくなってしまいます。できれば、子世帯で賄える支払い額であることが理想ですし、子世帯の収入や今後の支出計画をベースに、『どれだけ二世帯住宅にお金を掛けられるか』を決められた方がいいと思います。

 

親世帯のサポートが受けられるのは、とてもありがたいこと。ただ、そのサポートは、たとえば親が退職したり、亡くなったりした後は途切れてしまうものです。そのため、そうしたサポートに頼り切らなくても、家を維持し、定期的に壁の塗り替えや屋根の葺き替えなどのメンテナンスを行いながら、ローンを返していけるプランを組むことが理想なのです。

 

もちろん、ローンを組む際にも、そういった将来のことを想定する必要があります。たとえば、「親子リレーローン」。親子リレーローンは、その名の通り親から子へと引き継がれていくローンです。たとえば、住宅金融支援機構の「フラット35」の親子リレーローンに加入し、団体信用生命保険を親に付けていた場合は、もし親が亡くなってしまった際に、それ以降の返済が不要になるといった制度もあります。こういった保険があることで、親にもしものことが起こっても、返済計画が大きく狂ってしまうことはありません。

 

一方で、親子で2本の住宅ローンを並行して組み、並行して返済していく「ペアローン」の場合は、もし親が亡くなっても子世帯分のローンは残ってしまうといった違いがあります。ただし、どちらが最適なのかは状況によりけりですし、親子リレーローンが組めない金融機関もあるので、ローン加入の際にはよく検討してから選ぶようにしましょう。

 

後々のトラブルを避けるためのライフプランシミュレーション

 

初めての二世帯住宅を検討する際に、「どれくらいの費用が掛かるのか」「自分たちはいくらまでなら住宅にお金を掛けていいのだろうか」ということは、調べてもわからず不安なものです。

 

そこで必要なのが、生涯収支と貯蓄残高の推移をシミュレーションすることです。熊谷さんが代表を務める家づくりコンサルティングでも、相談に訪れた方のライフプランシミュレーションを行っているといいます。

 

『二世帯住宅に住もう!』と決めたときは、親子間で話が盛り上がり、親世帯が『資金の援助もしてあげるから』と温かいサポートを申し出てくれるなど、ウキウキした気分で構想を始めると思うのです。しかし、次第に掛かるお金の全容が見えてきたり、将来のことを考えたりして『これ、大丈夫かな?』と不安になるものです。だからこそ、漠然とした不安を無くすためにもシミュレーションは大切になります。

 

 

シミュレーションの際には、自分たちが望むライフプランに照らし合わせながら、今後の収入の推移を予想したり、子どもの教育費などが多く掛かるタイミングを想定したりします。そして、子世帯だけでも負担なく家を管理していけるようなプランを一緒に立てていくそうです。

 

また、完全分離型の二世帯住宅に住むことを検討されている方の中には、「もし親世帯が亡くなってしまい片方の住宅が空いてしまった場合には、他の人に貸し出そう」とあらかじめ考えている方もいらっしゃるそうです。

 

二世帯住宅を検討する際には、「そこでどのような生活をしていくのか」とセットで、しっかりと「今、そして今後掛かるお金」のことも想定して、家づくりに掛けられる予算を決めるようにしましょう。

 

 

 

家づくりコンサルティング株式会社

代表 熊谷一志

 

<プロフィール>

大学卒業後、大手ハウスメーカーで11年間住宅営業に従事。建築地調査や役所、法務局調査、間取り作成、見積り、資金計画のご提案、ローン申込、工事立会い、アフターフォローなどに携わる。お客様の幸せな家づくり提案のために、住宅営業マン時代に1級ファイナンシャル・プランニング技能士とCFP(R)を取得。その後、2年間の独立系FP事務所を経て2006年5月独立。年間300件以上の家づくり相談と家づくりセミナーを全国各地で開催している。メディアの出演実績も豊富。

 

<URL>

https://www.iecon.jp/

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