二世帯住宅を建てる前に知っておきたい3つのポイントとは?

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二世帯住宅はさまざまなメリットがある一方、デメリットもあり、気を付けておかないと住み始めた後にトラブルに発展してしまうことがあります。そのため、二世帯住宅を建てる前にはあらかじめ問題を認識して、対策を考えておくことが大切です。

 

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今回は、住宅購入のコンサルティングに従事しており、二世帯住宅の相談・サポートも行っている、家づくりコンサルティング株式会社の代表・熊谷一志さんに、二世帯住宅を建てる際に重要な「音」「光熱費」「建築基準法」に関わる3つの問題について、知っておくべきことを伺いました。

対策をしておきたい音の問題

二世帯住宅に住む際に起こりがちな音の問題。

 

これについて熊谷さんは「家庭によっても、個人の性格によっても、『音を問題と感じるかどうか』は違ってきます。ただ毎日のことなので、一度気になり始めると無視できなくなるのが、音の問題ではないでしょうか。」と話します。

 

よく問題になりやすいのは、たとえば上の階の足音やドアの開け閉めをする音、洗濯機を回す際の水回りの音など。二世帯住宅では親世帯と子世帯の生活リズムが異なるがゆえに、こういった些細な生活音が気になってしまうのです。

 

音の問題を軽減するためには、まず間取りの工夫が有効です。たとえば、音が気になる水回りは上下階で同じ位置に据えたり、人の出入りがあったり足音が聞こえたりする可能性のある玄関や階段、またテレビの音や話し声が響くリビング・ダイニングは寝室から離すなどといった工夫をすることで音が響くのを軽減することができます。

 

あわせて、熊谷さんが薦めるのが「家自体の遮音・防音性能を高めること」です。たとえば、床の遮音効果を高めることで、下の階に響きがちな歩行音や掃除機を掛ける音を抑えることができます。また、遮音性能の高い間仕切りにすることで隣室のテレビや会話の音を漏れないようにすることも。他に、排水管の遮音を高めることなどもできるといいます。

 

もちろん、こうした遮音性能を高めれば高めるほど、家づくりに掛かる費用は高くなってしまいます。ただ、住み始めてから皆が快適に過ごすためには、こうした遮音・防音対策をあらかじめバッチリしておく方が良いのではないでしょうか。

ずっと続く水道や電気の支払いも工夫で節約可能

 

二世帯住宅で住む際には、水道や電気などのインフラ面でも、あらかじめ気をつけておかなければならないことがあります。

 

まずは、水道メーターの口径です。当たり前ですが、二世帯住宅だと水道を使用する蛇口の数が増えます。水道メーターの口径は、地域によっても違いますが13mm、20mm、25mmなどのサイズがあり、口径によって取り付け可能な蛇口の数も決まっています。口径が細いまま多くの蛇口を取り付けると、水圧が落ちてしまって、朝や夜の忙しい時間に快適に水道を使えない恐れも。あらかじめ確認して、新たに口径を太くする必要があれば、その費用が掛かることも認識しておきましょう。

 

また、電気容量に関しても注意が必要です。家を建てる際に、建築会社が気を利かせて「大きな分電盤に取り替えましょう」と提案してくれる場合と、小さい分電盤のまま家を建ててしまう場合があります。頻繁に、同じタイミングで多くの電気を使うご家庭では、小さな分電盤のままだとブレーカーが落ちる可能性もあるため、気をつけておきましょう。

 

こうした前段があった上で、熊谷さんが提案したいのが「エコ住宅のすすめ」だといいます。

 

二世帯住宅においては、水道代や電気代も結構な金額が掛かります。場合によっては、親世帯が亡くなった後に、残された二世帯住宅用の大きなお家を引き継いで、光熱費を払い続けなければならないわけです。だからこそ、電気代を抑えるような工夫をすることをおすすめします。

 

電気代を抑えるためにできることの1つが、「ZEH」と呼ばれるような冷暖房効率の高い家に住むことです。「ZEH(ゼッチ/ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、「快適な室内環境」と、「年間で消費する住宅のエネルギー量が正味で概ねゼロ以下」を同時に実現する住宅のこと。具体的には、下記の機能を持った住宅です。

 

【ZEHとは】
・高断熱でエネルギーを極力必要としない(夏は涼しく、冬は暖かい住宅)
・高性能設備でエネルギーを上手に使う
・太陽光発電などでエネルギーを創る

 

国でも推奨しており、経済産業省では「2020年までにハウスメーカー等の建築する注文戸建住宅の過半数でZEHを実現すること」を目標として、普及に向けた取り組みを行っています。

 

二世帯住宅は、広い分、屋根も大きくなる場合が多いですよね。だから、太陽光発電に向いていると思います。太陽光発電を行う場合、最初のコストは掛かっても、後々の電気代を賄えることができると考えると、お得になることもあるので、検討してみてはどうでしょうか。

 

光熱費は、家に住み続ける限りずっと掛かる費用。だからこそ、目先だけにとらわれず、将来的に見てお得で、エコである方を選びたいものです。

理想の二世帯住宅は建てられる?建築基準法に注意

 

今持っている土地に建て替える形で、二世帯住宅を建てる場合に気をつけなければならないのが、「そもそも理想の家をここに建てられるのかどうかの確認」です。ときどき、「今の家よりも小さな家しか建てられなかった」という場合があるからです。

 

その理由は、「セットバック」の対象になることがあるため。建築基準法では、4m以上の幅がないと「道路」とは認められません。しかし、建築基準法が制定される前から存在した道路の中には、4m未満のものもあります。こうした道路に面している敷地に建物を建てる場合には、「道路の中心線から2m セットバック(後退) して建てなさい」といった規定があるのです。

 

セットバックの規定に従って家を建て替えることで、これまでよりも家の前の道路が広くなり、車両が通りやすくなるといった防災的なメリットはあります。ただ、家を建てられる面積が制限されてしまい、理想より小さな家しか建てられなくなることもあるのです。

 

ハウスメーカーの担当者に頼んで、土地の状況を調べてもらった上で、物理的に二世帯住宅を建てることが可能なのか、理想の間取りを実現できるのかを調べてもらってください。その上で『予定より小さな家しか建てられなくて厳しいな』となったら、その土地を売って、もう少し広い別の土地を買うことを決めればいいのです。

 

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二世帯住宅に住むことを選ぶなら、親世帯も子世帯も、ストレスなく快適に、ゆったりとした暮らしを実現したいもの。理想の二世帯住宅が実現できるかどうかを、事前にしっかり確認しておくようにしましょう。

 

 

 

家づくりコンサルティング株式会社
代表 熊谷一志

<プロフィール>
大学卒業後、大手ハウスメーカーで11年間住宅営業に従事。建築地調査や役所、法務局調査、間取り作成、見積り、資金計画のご提案、ローン申込、工事立会い、アフターフォローなどに携わる。お客様の幸せな家づくり提案のために、住宅営業マン時代に1級ファイナンシャル・プランニング技能士とCFP(R)を取得。その後、2年間の独立系FP事務所を経て2006年5月独立。年間300件以上の家づくり相談と家づくりセミナーを全国各地で開催している。メディアの出演実績も豊富。

<URL>
https://www.iecon.jp/

 

 

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