中古住宅VS古家付きの土地!築20年住宅の賢い売り方は?

  • Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

一般的に築20年が経過した木造住宅は、土地のみの価値で見られてしまうのがほとんど。その場合は、「古家付きの土地」として売りに出されます。

築年数が20年以上経過した物件を少しでも高く売却するためには何が必要なのでしょうか?

 

高橋さん1

 

 

ここでは「中古住宅」として売却した場合と、「古家付きの土地」として売却した場合の売却価格に注目。不動産売却に詳しい価値住宅株式会社の代表取締役、高橋正典さんに話を伺いました。

「中古住宅」と「古家付きの土地」の違い

 

そもそも、「中古住宅」と「古家付きの土地」とはどのように違うのでしょうか。

 

「一般的に、建築から20年以上経過しても住める物件は『中古住宅』、住めない物件は『古家付きの土地』として販売されます。住めるか住めないかの判断を行うのは不動産業者。つまり、業者によって判断も異なります。住めないと判断された物件は、物件そのものに価値はないと見なされ、『古家付きの土地』として土地のみの価格で販売されます。その場合、古家をリフォームして使うか、壊して新しい住宅を建てるかは買い主の自由になり、もしリフォームした後で何か問題があっても売り主が責任を負うことはありません。」

「20年」という数字に根拠はない!

 

「中古住宅」と「古家付きの土地」の判断をするうえでひとつの基準となる「20年」という数字の理由は、一体なんなのでしょうか。

 

「これは税法上、木造住宅の減価償却費が22年のため、そのイメージが強く影響しています。実際、昭和53年に発生した宮城県沖地震で耐震基準が見直される以前に建築された物件については、やはり20年を過ぎると耐震上不安な面もあると言えるでしょう。」

 

また高橋さんによると、かつては土地の値段が上がっていて含み益が発生するため、土地を持っている人の場合、一昔前までは『直すよりも建て替えたほうが安い』という考えが一般的で、中古住宅に価値を見出そうという発想がなかったとのこと。

 

加えて、建物に対して日々の維持管理をしないという日本人の習慣も影響しています。『20年超えたら土地値ですね。』が不動産業者の口癖。一般的に10年で物件の価値は半額になり、20年でゼロになります。

 

「実際のところ、20年という数字にはなんの根拠もありません。特に昭和56年以降の新耐震基準以降に建てられた住宅は、しっかりと維持管理を行っていれば50年以上住むことが可能です。人間でも、同じ年齢の人でも食習慣や生活スタイルによって体内年齢が違うように、住宅も築年数が古くても健康な物件もあれば、逆に築年数が新しくても不健康な物件もあるんです。」

「中古住宅」と「古家付きの土地」のメリットとデメリット

「中古住宅」として販売するか、それとも「古家付きの土地」として販売するか、最終的に査定して判断するのは不動産業者です。ただし、売り主としてもその特徴を理解しておくことが大切です。

それぞれにメリットとデメリットがあると、高橋さんは話します。

 

「まず『中古住宅』として売却するメリットは、当然のことながら古家付きの土地よりも高く売れることです。以前弊社が査定した住宅の中で築35年ほどの建物を、公益財団法人不動産流通推進センターが出している「価格査定マニュアル」に基づいて440万円と査定し、3000万円の土地と合わせて合計3440万円で売れたというケースがありました。買い手はその物件に1000万円かけてリフォームと耐震改修工事を加え、今も住んでいます。」

 

高橋さんによると、このような買い方をする人がものすごく増えているとのこと。2011年頃、高橋さんに相談に来る中古物件を探す人の予算は、都内で2000万円台が相場でしたが、2017年は5000万円台と約2倍以上になったといいます。

 

「このような予算の変化は、中古住宅を求めるお客様が『お金がないから仕方ない」という層だったのに対して、今は『新築も買えるけど、あえて中古住宅をリノベーションして楽しみたい」という客層に変わってきたということです。デメリットとしては、売れるまでに時間がかかることもあるということが挙げられると思います。」

 

続いて、古家付きの土地として売却する場合のメリットについて。

高橋さん2

 

 

「『古家付きの土地』として売却する場合のメリットは、まず建物に対する瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)が発生しないということです。オーナーさんが『建物に対して責任を負いたくない。住んでもらうのは勝手だが、例えば耐震などで事故やトラブルがあっても責任は取りたくない』という方の場合、オーナー自ら『古家付きの土地』として売りに出す場合もあります。」

 

瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)

不動産売買契約において、売り主が買い主に責任を負うことを指す言葉。個人間の売買においては、責任の内容や期間などを双方で定める場合も多い。

 

また、20年を超えると住宅のローンも終わりに近づいている人が多く、高く売るよりも、手離れの良さを求めるオーナーさんが多いとのこと。

 

「また『古家付きの土地』として販売すると、基本的に建物を内覧させる義務はありません。そのため、生活の様子を覗かれることに抵抗があるという理由で『古家付きの土地』を選ぶ人もいらっしゃいます。デメリットとしては、『中古住宅』に比べて販売価格が下がる場合があること。メリットの裏返しです。」

 

「中古住宅」と「古家付きの土地」のそれぞれのメリットとデメリットはお分りいただけたでしょうか?

売却価格にこだわるなら「中古住宅」、手離れの良さにこだわるなら「古家付きの土地」がオススメです。

 

中古住宅として売りたい人は、築年数「20年」という数字にとらわれることなく、一度信頼のおける不動産業者に査定を依頼してみてはいかがでしょうか。

価値のない古家だと決めつけていた物件でも、高橋さんが挙げた事例のように、意外な高値がつくこともあるかもしれません。

 

 

 

価値住宅株式会社 代表取締役 高橋 正典

 

<プロフィール>
2008年に顧客との永続的信頼関係の構築を目指す「不動産エージェント企業」をスタートさせ、2016年には新たな想いを乗せた「価値住宅株式会社」を設立。良質な住宅を建て長きにわたり住み続けられる「ストック&フロー」の市場に着目し、中古住宅の資産価値の維持・向上を目指す。著書の出版やテレビやWEBメディアへの出演も多数。

 

<URL>
http://kachi-jyutaku.co.jp

  • Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加