注意点を抑え新築を超える住心地。中古マンション購入のポイント

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今、中古マンションが大人気です。

その人気の高さは「今後新築並みに価格が大暴騰するーー」そう分析する人もいるほど。

 

ただ、実際に購入を検討し始めると「建物や設備、環境の劣化状況」などが不安になり、なかなか思い切ることができないという方もいるのではないでしょうか?

 

そこで今回は、中古マンションの購入を検討している方に向けて、「購入のポイント」をご紹介します。

新築住宅の価格高騰と中古マンション購入のメリット

 

まずは、中古マンションが人気を博している背景について解説します。中古マンションが人気になった大きな理由は、新築マンションが高すぎるから

国交省が発表している不動産価格指数のグラフを見てみると、マンション価格は右肩上がりの上昇を続けていることがわかります。

 

参考:国土交通省「住宅の不動産価格指数、55か月連続して前年同月比で上昇」

https://www.mlit.go.jp/common/001312156.pdf

 

価格が高くなれば、あこがれの新築マンションをあきらめてしまう人が増えるでしょう。そんなとき「中古マンションを買う」という選択肢が現実的になってくるのです。

 

中古マンションを購入してそのまま住むことも可能ですが、購入後にリフォームをしてしまえば、新築と同様の住み心地が得られます。現在のマンション市況を考えると、リフォームを施したとしても新築より安く済む可能性が高く、中古マンションは「安さ・住みやすさ」の両方を満たせる選択肢なのです。

 

それでは、中古マンションを購入すべき理由についてさらに詳しくご紹介しましょう。

 

・低予算で購入でき、選択肢が豊富

簡単にいえば「安い」ということですが、それだけではありません。中古マンションは築年数が古くなればなるほど価格が安くなる傾向にあります。それだけ予算に合わせたマンション選びが可能です。

新築と違って、選択肢が多いのも魅力です。例えば「東京駅から30分」といった条件で探す場合、予算に応じた価格帯で選びきれないほどさまざまな選択肢があります。

 

・立地と環境がはっきりしている

新築では「ここにこんな建物ができますよ」といったパンフレットでしか判断できないことも多く、実際に購入して住んでみると窓の前に電線が通って外の景色が台無しになるとか、敷地の隣が墓地だったなんてこともあります。お隣さんだってどんな人かはわかりません。

しかし、中古マンションの場合には実物がそこに建っているわけですから、実際に行けば確認することができます。「実物とは違う」といった間違いはほとんどありません。

それから、中古マンションでは実際の管理状況がわかるのも安心できます。「マンションは管理を買え」という格言もあるくらい、管理レベルは重要です。内覧すればエントランスや郵便受けの清掃状況、掲示物の状態から管理組合の運営状況もすぐにわかります。

中古マンションを購入するデメリット

 

もちろん、中古マンションを購入する場合に知っておくべき、以下のようなデメリットもあります。

 

・ローンが付きにくい場合がある

新築では35年ローンを組むことが当たり前の世の中ですが、中古マンションで特に築年数が古くなると借りられる金額や返済期間の面で住宅ローンの条件が厳しくなる場合があります。

 

・税金の特典が少ない

新築であれば、不動産取得税の課税標準である1,200万円控除の他、登記に必要な登録免許税の税率が低かったり、固定資産税も一定期間は建物の税額を半分にしてくれたり、さまざまな税法上のメリットが設けられています。しかし、中古マンションでは特典が縮小されたり、特典自体がなかったり、税法上のメリットを受けにくい部分があります。

 

・仲介手数料がかかる

新築マンションでは仲介手数料は発生しませんが、中古マンションの仲介では物件価格の3%から5%ほどの手数料がかかります。

 

・耐震基準が異なる

地震の多い日本では、耐震基準が少しずつ強化されています。築年数が浅ければ浅いほど、強化されている耐震基準が適用されているため、地震に対しての安心感が高まることは間違いありません。

また、「昭和56年」を境にして耐震基準が大きく変化しています。新しいものは「新耐震」、古いものは「旧耐震」と呼ばれています。阪神大震災のとき、新耐震の建物と旧耐震の建物とで被害が大きく異なっていたことから、現在、旧耐震の建物ではローンが借りられなかったり、税金の各種特典が全く受けられなかったりします。そのため、旧耐震の中古マンションは破格の値段で市場に出ていたりしますが、これは避けたほうが無難といえるでしょう。

 

・設備、デザインが最新でない

中古マンションは、新築当時の最新型の設備、デザインを取り入れていますが、数年経過すれば当然古くなっていき、現在見ると「古臭い」と思うこともあるでしょう。今では当たり前となっている「段差のないバリアフリー」や「フローリングの床」も、昔はトイレやお風呂には段差があるのが当たり前でしたし、昭和の時代は作り付けのじゅうたんが敷いてあるのが高級でおしゃれと考えられた時代もあります。間取りも時代に合わせて徐々に変化していくものなので、現代の感覚では妙な間取りになっている部屋もあります。

中古マンションをリフォームして快適に暮らす

 

中古マンションを購入するときは、リフォームを前提として購入することをおすすめします。リフォームの対象は、お風呂・トイレ・キッチンなどの水回り、次いでリビングという優先順位になるでしょう。

 

今は予算が厳しくても、何年間かかけて少しずつリフォームをしていくことも可能です。リフォームをすれば、より住みやすいマイホームになっていくことは間違いありません。リフォームの気持ちよさを一度味わうと、今度はあれこれとリフォームの夢も広がって生活も楽しくなることでしょう。

 

マンションリフォームの場合には以下のような制約に気を付けましょう。

 

・部屋の内面だけリフォームができる

リフォームができるのは、専有部分だけです。具体的には、住戸の躯体(くたい)コンクリートの内側の範囲だけリフォームすることが可能。多くのマンションでは、ベランダ・サッシ・玄関扉のように自分専用に使っているものでも共用部分とされますので、玄関扉やサッシを交換することはできません。

また、配管や配線も住戸の内側部分だけの交換になりますので、水回りのリフォームでは注意が必要です。マンションの共用配管をリフォームするには大規模修繕という別の手続きが必要になります。共用の配管自体は古いままですので、リフォームしてもにおいがするとか、ゴキブリが出るといった問題は解決しない可能性があります。

 

・管理組合との事前の打ち合わせが必要になる

大規模なリフォームだと、規約をよく読んで、事前に管理組合と相談して工事内容を決める必要があり、当初考えていたリフォームができないこともあります。工事用の車両の駐車位置や騒音の対策など、慣れた工事業者でも工事を断られたり、工事内容を変更するよう求められたりすることもあります。

まとめ

 

新築マンションの価格が上昇している今、購入しやすく選択肢が豊富な中古マンションに人気が集まっています。

 

「税法上のデメリットや手数料」「リフォーム」などのポイントを踏まえて、負担がないように購入すれば、“新築以上の住み心地をお得に手に入れる”ことも可能です。

 

今回ご紹介した内容に気を付けて、ぜひ後悔のない中古マンションライフを楽しんでくさい。

 

 

 

中山 聡 不動産鑑定士・一級建築士

富山県生まれ。東京大学医学部を卒業後、三井住友信託銀行、近畿大学工学部、株式会社アイディーユー、早稲田大学大学院ファイナンス研究科招聘研究員、チームラボ株式会社等にて、インターネットで不動産取引ができる環境づくりを中心に、研究開発室長、経営監査部長として事業開発、M&A、事業会社管理に携わる。 現在、わくわく法人rea東海北陸不動産鑑定・建築スタジオ株式会社代表取締役。執筆・著書に、『闘う!空き家術(週刊住宅新聞社)』『新訂 闘う!空き家術(プラチナ出版)』『空き家管理ビジネスがわかる本(同文館出版DO BOOKS)』『ビジネス図解 不動産のしくみがわかる本(同)』『はじめてでもわかる不動産金融工学(雑誌「ルクラ」連載)』『不動産カウンセリング実務必携(日本不動産カウンセラー協会刊・共著)』などがある。

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