タワマンで節税対策は昔の話?税改正の影響と今後

  • Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「タワーマンションが節税になる」と聞いたことはありますか?
その通り、タワーマンションは節税にもってこいの不動産です。しかしその一方で、「2017年に税制改正が行われたため、タワーマンションは節税にならなくなった」という声も耳にします

 

実際のところ、タワーマンションは現在でも節税対策に有効な手立てなのか否か、どちらなのでしょうか。
そこで今回は、二世帯住宅のコンサルティングを行う、家づくりコンサルティング株式会社の代表・熊谷一志さんに、タワーマンションにまつわる節税について詳しくお話を伺いました。この記事を読めば“タワマンの節税のホント”がわかりますよ!

 

A

▲家づくりコンサルティング株式会社 代表 熊谷一志さん

 

2017年の税制改正は「固定資産税」限定! 相続税の節税はまだまだ有効

2017年の税制改正は「固定資産税」に限定されたものです。固定資産税は、「建物1棟に対して税金がいくら」という決め方をします。

 

・【改正前】建物の高さは関係なし、固定資産税は床面積で決定していた
税改正以前は、高層階・下層階館関係なく、同じ床面積であれば固定資産税の額は同一でした。

 

「というのも、この法律は高層階住宅がポピュラーでなかった時代に制定されたため、当時は40階などの高い建造物は想定していなかったはずなんです。この背景があり、『価値の高い上層階の不動産が下層階と固定資産税が同額なのはおかしいのではないか』という意見が多くなり、今回の税制改正に至りました。」

 

・【改正後】上層階の固定資産税の方が下層階より高額に
これまでは、固定資産税の額は上層階から下層階まで同じでしたが、2017年からは上層階の固定資産税が高くなり、下層階は低くなりました。今まで不公平があった箇所が是正されたということです。

 

・固定資産税の税制改正は微々たるもの。相続税の節税はまだまだ有効!
「高層階の固定資産税は下層階との不公平が是正され若干の増税ですが、節税に有効なのは相続税の方なのです。」

 

法改正による高層階・下層階での固定資産税額の差は、1割程度。一方で、高層階になるほど相続税の節税効果は高くなることに変わりはありません。

 

 

「固定資産税の税改正は微調整程度のため、まだまだ相続税の節税には有利なのでご安心を。」

 

タワーマンションで相続税を節税できるからくりとは

 

財産には現金や建物、株など様々な種類がありますが、相続税は持っている財産の総額で決まります。例えば相続人が1人で、現金で3億円を持っている場合、財産評価は3億円です。この財産全てを使ってタワーマンションの高層階を購入したとすると、“3億円の建物”に代わったことになります。

 

・どれだけ高層階に住んでいても、固定資産の評価額は中層階相当の判断になる
その3億円の建物の相続税を評価する際、固定資産税評価額がカギとなります。大まかに計算すると、建物の中階層の価値の半額程度。眺望のよい高層階は建物の価値が高くなり、低層階は価格が低くなる傾向があるため、固定資産税評価額をこの価値判断にあてはめると、建物の価値は購入金額の半額相当に。

 

「仮に中階層の評価が1.5億円だった場合、相続税の税額は、2860万円になります。3億円の現金資産なら相続税額9180万円のところを、不動産に資産を組み替えることで相続税額が下がるというわけです。このカラクリを利用して相続する直前にタワーマンションを購入し、低い相続税をおさめたあとでマンションを3億円で売却した場合、6000万円以上もの相続税を節税できます。特に高層階になるほど実際の取引価格と相続財産評価の開きが大きくなる為、相続税の節税効果は高くなります。」

 

・現金を建物にかえるだけでも評価は下がる
タワーマンションのみならず、現金を建物にかえるだけでも相続税の評価は下がるので、現金とは同じ評価にはなりません。このことから、現金を不動産化する資産家もたくさんいます。

 

「この節税ポイントはまだ国のメスが入っていません。ただし、明らかに相続税を回避するための購入は、租税回避行為とみなされて追徴課税が発生することもあるので注意が必要です。」

 

・タワーマンションの節税効果に変化なし
相続税についても基本通達があるため、明らかに評価と取引価格に乖離がある場合は、評価価格を調整するケースもあります。また固定資産税の評価が現状にみあった改正が行われたことで、相続税の評価も改正で変わる可能性も考えられます。

 

「ですが、改正があったとしても、現金の評価より建物の評価が高くなることはないため、相続税の節税効果があることに変わりはありません。」

 

まとめ

2017年の法改正によって、固定資産税の評価方法には変更がありました。よって固定資産税は本来の税額に少し近づいたといえます。しかし、むしろ、節税に大きく関わるのは遺産を相続した際にかかる相続税の方。遺産を現金で所有しているよりも建物を購入して所有した方が、相続税評価額が低くなることには変わりありません。そのため、法改正後の現在でも、タワーマンションの購入は節税対策に有効だといえます。

 

 

 

家づくりコンサルティング株式会社
代表 熊谷一志

 

<プロフィール>
大手ハウスメーカー営業マンとして建築地調査や役所、法務局調査、間取り作成、見積り、資金計画のご提案、ローン申込、工事立会い、アフターフォローなどの業務に従事。1級ファイナンシャル・プランニング技能士とCFP®を取得し2年間独立系FP事務所に勤務した後、2006年5月に独立。年間300件以上の家づくり相談と家づくりセミナーを全国各地で開催している。

 

<URL>
https://www.iecon.jp/

 

  • Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加