住宅ローンの変動金利型!リスクを理解しよう

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住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2020年5月調査) 」によると、固定金利期間選択型を含む変動金利型を利用している人の割合は、調査時期により多少の差はあるものの8割強となっています。(※1)

 

また住宅ローンの商品特性や金利リスクへの理解度について、「十分に理解」「ほぼ理解」と回答した人の割合は4割から5割いる一方、「理解しているか少し不安」は3割から4割、「よく理解していない」「全く理解していない」と回答した人も1割程度占めています。

 

(※1)出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2020年5月調査) 」

 

家計の状況を考慮し変動金利型について十分理解した上での選択であれば良いですが、そうでなければ金利変動による影響を強く受けてしまうかもしれません。この記事では「よく理解していない」「全く理解していない」という状況で金利タイプを選ばないよう、変動金利型のリスクや金利タイプの選び方について解説します。

変動金利型の基本的なリスク

固定金利期間選択型を含む変動金利型の基本的なリスクについて触れておきます。変動金利型は借入当初の金利は全期間固定金利型と比べると低いものの、借入期間中の金利に合わせて返済額が変動します。

 

金利は家計の状況とは関係なく変動するため、支出額が増加する時期や収入額が減少する時期でも住宅ローンの返済額が増加することがあります。特に低金利傾向にある時期では借入当初の金利が最低金利となる可能性が高くなります。

住宅ローン利用者の立場にたった金利タイプの選び方

ここで住宅ローン利用者の立場にたった金利タイプの選び方や考え方を5つ紹介します。

 

1:自分自身の経験や知識に合わせた選択をする

住宅ローンは金融商品です。株式や投資信託などの金融商品を購入するために、普段から株価や金利などの情報収集をしている人はこれまでの知識や経験で自分自身に合った金利タイプを選べるかもしれません。しかし経済の影響を受ける金融商品を選ぶのは住宅ローンが初めての人もいらっしゃるでしょう。金融商品全般に言えますが、初めての人は複雑な金融商品ではなく、シンプルでわかりやすい商品のほうが安心です。自分自身の経験や知識に合わせて選ぶことを基本としましょう。

 

2:数千万円の財産が金利市場の影響を受ける

生活の基本は衣食住です。衣食住のための資金はなるべく市場の影響を受けて減少しないよう管理することが基本です。生活の基本となる「住」に費やした数千万円の資金が金利市場の影響を受けても問題ないか考えてみましょう。

 

3:全期間固定金利型より変動金利型の方が「得」だと考えない

全期間固定金利型と変動金利型の金利差は金利変動リスクの費用分です。変動金利型を選択しても決して有利な条件で借入ができるわけではなく、住宅ローンの返済負担に加え、金利変動リスクを背負っただけです。さまざまなリスクに備える保険で考えるとわかりやすいかもしれません。支出をおさえるために医療保険に加入せず結果的に病気にならなかった場合に、その支払わなかった保険料分を「得」と考えるでしょうか。金利タイプの選択についても、将来発生しうるリスクに対応する費用を負担するなら全期間固定金利型、負担せずリスクに対応できるなら変動金利型を選びます。

 

4:ネットや書籍などの情報をそのまま信用しない

情報に説得力があってもふさわしい選択肢かどうかは別です。住宅ローンの利用経験者や専門家であれば金利の推移に詳しく金利タイプも効率的に選べるかもしれませんが、変動金利型を選んだ場合に金利上昇のリスクを負うのはこれから住宅ローンを利用する人です。情報には発信者の何らかの意図が含まれます。情報から発信者の意図を読み取れない場合、その情報は参考程度にとどめておいたほうが良いでしょう。

 

5:金利タイプは全期間固定金利型から検討する

借入当初の条件だけでシミュレーションした住宅ローンの総返済額は、変動金利型よりも全期間固定金利型のほうが多くなります。そのため最終的に変動金利型を選んだとしても、全期間固定金利型として返済計画を立てたほうが返済にゆとりが生まれやすく、また一定程度の金利上昇なら対応できる余裕がでるでしょう。

どうしても変動金利型を選びたい方のための対策

変動金利型における金利変動リスクへの不安は、ライフプランを立て具体的な数値で確認してみなければ解消されません。ライフプランは将来の予測を盛り込んだ資料であるため完璧な情報とまでは言えませんが、金利上昇による家計への影響など自分自身に合っているかどうかの判断材料として役立ちます。

 

金利上昇リスクと言っても借入金額や返済期間などの借入条件によって家計への影響は異なりますので、リスクの大きさは人それぞれです。金利が上昇する時期や上昇幅によっても変わります。そのため変動金利型のメリットを享受できる可能性のある人もいらっしゃるでしょう。

 

変動金利型のデメリットよりもメリットを魅力に感じる場合、金利上昇リスクをなるべく軽減した上で選ぶと安心です。借入金額が増えるほど、また返済期間が長いほど金利上昇リスクは大きくなりますので、シミュレーションして再検討してみましょう。固定金利型に借り換えるタイミングや目標となる金利水準をあらかじめ考えておくこともリスク軽減の対策となります。

住宅取得をきっかけに家計の見直しを

住宅ローンの利用者が安定して返済できるよう、さまざまな団体信用生命保険や特約が販売されています。団信への加入はリスクに備えるための対策ですが、全期間固定金利型を選択することもリスクに備える対策です。住宅ローンが家計にどの程度影響するか確認することが大切です。

 

住宅取得をきっかけにライフプランを立て、希望する住宅ローンを安定して返済するために家計の見直しをしてみてはいかがでしょうか。

 

【執筆者プロフィール】藤 孝憲

ファイナンシャルプランナー(CFP®)

個人相談・ライフプラン作成・保険販売などの経験をもとに、商品販売をしないファイナンシャルプランナーとして、生活者の立場にあった商品選びなどについて情報発信している。

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