マイホームを人に貸すなら知っておきたい。税金と確定申告

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マイホームを購入したものの、転勤や家の都合による転居で住めなくなるケースがあります。そんなときのマイホームの有効活用方法、家を人に貸して家賃収入を得るという選択です。ではその場合、税金はどのように計算するのでしょうか。また、確定申告はどうなるのでしょうか今回は、マイホームを人に貸す場合の税金の計算方法と確定申告について解説します。 

 

マイホームを貸して得た収入は、不動産所得として税金を払う必要が

 

  • 不動産所得とは

家を貸して得られる家賃は不動産所得として換算されますまずは不動産所得とはどういったものなのかご紹介します 

 

【不動産所得とは】 

土地や建物などの不動産の貸し付け 

地上権など不動産の上に存在する権利の設定、および貸し付け 

船舶や航空機の貸し付け 

 

マイホームを人に貸すの、①の「土地や建物などの不動産の貸し付け該当します。そのため、の収入不動産所得として税金を納めなければなりません 

 

  • マイホームを貸した際、不動産所得に含まれる項目

マイホームを貸した際に不動産所得に含まれるのは、単に家賃収入だけではありません。不動産所得に含まれるのは、以下の項目です。 

 

【マイホームを貸した際に不動産所得に含まれる項目】 

・家賃(賃料) 

・駐車場賃料 

・名義書換料、承諾料、更新料などの名目で受け取るもの 

・頭金や礼金という名目で受け取るもの 

・敷金や保証金のうち返還しなくてもよいもの 

・共益金という名目で受け取る電気代や水道代、掃除代など 

 

参照:国税庁 所得の種類と課税方法 

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/b/01/1_03.htm 

 

  • マイホームを賃貸する際に認められる必要経費

 

また不動産所得は家賃収入全額ではなく、賃貸に出すことでかかった費用を必要経費として差し引いた額になります。では、この「必要経費」はどのようなものが該当するのでしょうか 

不動産所得を算出する際、認められている必要経費には次のようなものがあります。 

 

【不動産所得を算出する際に必要経費として認められる項目】 

・固定資産税、都市計画税 

・不動産を取得した際の印紙税や登録免許税、不動産取得税 

損害保険料(火災保険料や地震保険料) 

・減価償却費(※1 

修繕費(建物や設備、外壁の塗装など) 

・マンションの管理費修繕積立金 

・物件を管理するための交通費やガソリン代、駐車場代、高速料金など 

・管理会社への管理委託料 

賃貸物件を取得したときの借入金の利息分(ローン元本は含めない) 

・管理会社担当者との打ち合わせ時の飲食代 

・税理士や司法書士への報酬 

・入居者募集のために管理会社などへ支払った広告宣伝費 

 

ただし、所得税や住民税は必要経費に含めることはできません。 

 

参照:国税庁 No.2210 やさしい必要経費の知識 

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm 

 

1減価償却費とは 

一戸建てもマンションも、時間が経つにつれ購入したときよりも価値が下がっていくものです。そこで減価償却(価値の減少を費用として計上すること)おこない、減少した分を費用(必要経費)に入れていきます。その費用が減価償却費です。なお、減価償却は土地には適用されず、建物だけが対象です 

不動産所得にかかる税金の計算方法

 

個人場合、不動産所得にかかる税金は所得税・復興特別所得税(2037年12月31日まで)・住民税の3つ。ここでは例として所得税の計算方法を見ていきましょう。 

 

【不動産所得税の計算方法:所得税のケース】 

課税所得=合計所得額-所得控除合計額 

所得税額=課税所得×所得税率 

 

課税所得を計算するには、基本的には上記で算出した不動産所得に対してその額に応じた税率を掛けます。なお、会社員の場合、給与所得と不動産所得とを合算し、そこから所得控除(※2)の合計額を差し引いた額に税率を掛けることになります。 

 

参照:国税庁 個人の方に係る復興特別所得税のあらまし 

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/fukko_tokubetsu/index.htm 

参照:国税庁 給与所得と税 

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/02_1.htm 

 

2):所得控除には、基礎控除・社会保険料控除・配偶者控除(配偶者特別控除を含む)・扶養控除・医療費控除・生命保険料控除・地震保険料控除などが含まれます。 

住宅ローンを返済中にマイホームを貸すことはできる?

 

住宅ローンは、自分や親族が住むという条件のもと借りるものです。そのため住宅ローンを返済中ならば、本来人に貸すことできません。 

 

しかし金融機関によってはやむを得ない理由であれば賃貸が可能になる場合もありますたとえば転勤や病気療養、親の介護などの理由があるとき。こういった場合は住宅ローンを組んだ金融機関に相談しましょう。金融機関に相談しないまま賃貸に出すのは契約違反になるので注意が必要です 

 

なお、金融機関に相談してマイホームの賃貸が可能になった場合は、返済額の利息分のみ必要経費に入れることができます。 

 

家賃収入は確定申告が必要

 

  • 年間20万円以上の不動産所得があれば、確定申告が必要

家賃収入が入るようになったら、毎年確定申告をする必要があります。確定申告は、1月1日から12月31日までの所得を計算して税務署に申告するものです。会社で年末調整を済ませてい会社員も、年間20万円以上の不動産所得があるなど要件に該当する人は、自分で確定申告をしなければなりません。 

 

  • 特別控除を受けたいのであれば、青色申告がおすすめ

確定申告には白色申告と青色申告があり控除の額などに違いがあります。 

白色申告は控除がありませんが、不動産所得の場合、青色申告は青色申告特別控除として10万円の控除を受けることができます 

 

青色申告は複式簿記にて帳簿を記帳する必要があります。面倒な印象を持っている方が多いかしれませんが、今は利用しやすい会計ソフトがあるので、初心者でも帳簿が付けやすくなりました。青色申告を選ぶ場合は、その年の3月15日まで、あるいは賃貸を開始してから2月以内に税務署へ「開業届」と「所得税の青色申告承認申請書」を提出しましょう。 

 

なお青色申告特別控除が65万円になる場合もありますが、不動産所得で65万円の控除を受けるには、賃貸が事業レベルでなければいけません。事業レベルとは、一戸建てなら5棟以上、マンションなどの共同住宅なら10室以上の場合です。 

 

参照:国税庁 はじめてみませんか?青色申告! 

http://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/aoiro_shinkoku2014.pdf 

参照:国税庁 No.2090 新たに事業を始めたときの届出など 

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2090.htm 

参照:国税庁 No.1373 事業としての不動産貸付けとの区分 

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1373.htm 

 

  • 青色申告の方法と注意点

確定申告は原則として2月16日から3月15日までにおこなう必要があります。特に青色申告は必ず期限内に申告しなければいけません確定申告際には、国税庁のサイト「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作成し、税務署に提出するのをおすすめします。 

 

マイナンバーカードを持っている場合はe-Tax自宅からパソコンなどを使って確定申告を済ませることできます。e-Taxで確定申告をおこなうのであれば、マイナンバーカードを読み取るICカードリーダライタを準備しましょう。事前に税務署でIDとパスワードを取得すれば、マイナンバーカードがなくてもe-Taxを利用できますので、検討してはいかがでしょうか 

 

参照:国税庁「e-Tax 

https://www.e-tax.nta.go.jp/ 

マイホームを賃貸にする場合は確認を

今回ご紹介したポイントは以下。 

 

・マイホームを賃貸する際、得られる不動産所得には税金(所得税・復興特別所得税・住民税)がかかる 

・不動産所得は、賃貸料などの総収入から賃貸する際にかかった必要経費を差し引いて算出 

・不動産所得がある場合は確定申告が必要 

 

何らかの事情でマイホームに住めなくなり貸し出しを検討している方は、ぜひ参考にしてください。 

 

 

前佛 朋子 ファイナンシャルプランナー 整理収納アドバイザー1級 

2006年11月よりライターとしてメルマガ、WEBコラムの執筆を手がける。2012年3月に2級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)を取得、2012年10月には日本FP協会認定 AFP資格を取得。得意分野は家計見直しとライフプラン。節約、家計、終活、介護、不動産、ペット保険などに関する記事を複数の大手メディアで執筆。株式会社アイ・イーシー『図解でわかる100シリーズ 人生100年時代の働き方とお金の知識100』通信教育テキスト(共著)なども手掛ける。 

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