悩む男女

老後対策は40代から!住み替えるきっかけはどういうとき?

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子どもが独立して今の家が広すぎると感じたとき

病気やケガで今の家に住み続けることができなくなったとき

加齢により介護が必要になったとき

 

体調や環境の変化がきっかけになる高齢期の住み替え。

 

高齢者住宅アドバイザーとして多くの方々の住み替えに関わってきた「シニアの暮らし研究所」岡本さんは、老後の充実した生活の実現には、40代から住み替えなどの老後対策について考えはじめることが重要だと語ります。

 

高齢者住宅アドバイザー岡本さん

 

住み替えなどの老後対策を考えはじめる時期として40代を目安にするのはなぜなのでしょうか?

どのような場合に住み替えを検討するべきなのでしょうか?

 

岡本さんに詳しく伺いました。

早めの住み替えは健康寿命を伸ばすために

手帳を持つ手

 

住み替えには2つの種類があります。

ひとつは、要介護になって必要に迫られ施設などに住み替える場合。もうひとつは、元気なうちに安全で身体が不自由になっても住み続けやすい環境に自主的に住み替える場合。

 

生活環境が整った住まいへの住み替えが早ければ早いほど、病気やケガのリスクが少なくなり、健康寿命を伸ばすことができます。

 

一般的に『住み替えは加齢や病気、ケガ等が原因で要介護になり、必要に迫られて行うもの』という認識があるようです。私が考える住み替えは、『要介護にならずに生きられる健康寿命を伸ばすためのもの』です。そのため、健康のリスクが高まる高齢期になってからではなく、それよりも前に自主的に住み替えについて考えることが大切だと考えています

 

ちょっとしたケガや病気のダメージによって、身体能力が著しく衰退してしまう高齢期だからこそ、リスクの少ない環境へ早めに住み替えることが重要です。岡本さんが相談を受けてきた中でも、老後生活に関してあまりにも楽観的に考えている方が多いといいます。

 

住み替えについて話す岡本さん

 

60代のころから関わっていて、今76歳になる方がいるんですが、要介護になる将来をまったく想定していないんです。後期高齢期(75歳以上)になると、一度のケガや病気のダメージで、歩けなくなったり、寝たきりになる可能性が高まります。要介護になると、自身が理想とする住み替えはもう実現できません。住み替えるタイミングが遅すぎたせいで、理想の住み替えを実現できなかった方をこれまでにたくさん見てきました

 

早い段階で住み替えることで実現するのが、体力維持や生活能力維持。

 

「歩ける範囲に複数の医療機関やスーパーなどがある」

「住まいの形がバリアフリーでケガをしにくい」

「家族や友人など何かあったときに近くに頼れる人がいる」

 

などなど、人間関係や生活環境全体を含めて、シニアに合った場所や部屋に住み替えることで、健康寿命を延ばすことができるのです。

 

準備をはじめるタイミングは早ければ早いほどいいと岡本さん。

充実した老後生活を送るには、40代から準備を始める必要があります。

老後に必要な資金を確保する

考える男女

 

岡本さんは、40代からはじめる老後対策の第一段階として「資金」を挙げます。

高齢期が長くなり、定年後に必要な資金が増えている現代だからこそ、定年後に暮らしていくための資金をどう用意するかについて考えることが大切です。

 

女性が90歳近く、男性が80歳以上と平均寿命が伸び続けている現代、若い世代では100歳まで生きる人が当たり前になるかもしれません。定年を60歳に設定すると、高齢期は全部で40年にも及ぶ可能性があります。資金が不足した状態では経済的に困窮してしまう可能性が高くなります

 

模型を前に悩む男女

 

40代は、仕事や結婚、子育てなど、自分の生活の基盤作りが一段落する年代。

体力も思考力もまだ衰えていないため、老後の資金計画を真剣に考えるのに適しています。

貯金を増やすのか、投資を行うのか、個人年金に加入するのか、老後に必要な資金を確保するのに必要な方法を考えましょう。

 

住まいをリフォームするにしても、分譲マンションに住み替えるにしても、まとまった資金がなければ、選択肢はどんどん狭くなってしまいます。理想はどのような選択肢を選んだとしても、それを実現できるだけの資金を用意しておくことです。そのためには、遅くても40代から老後の資金確保を意識しなければなりません」。

 

個人年金などを選択する場合も、早ければ早いほど払込が楽になります。

払込をはじめるタイミングが遅くなると、場合によっては年金での受取りができないこともあります。

老後の資金準備は、遅くなれば遅くなるほどデメリットが増えていくと岡本さん。

遅くても40代から老後の資金の準備を進めることで、老後の困りごとを少しでも減らすことができます。

 

老後資金に関して危機感が足りていないと感じる方が多いですね。『困ったら国が助けてくれる』なんて方もいますが、生活保護などを受けることができるのは、本当に限界になったときだけ。困ったときではなくて、困らなくて済むように準備を進めるのが老後対策の基本です

 

60代からの人生は、20代から定年までの40年と同じ長さの人生が残されています。

しかし、60代からの40年は、20代から60代までの期間のようにお金を稼ぐことはできません。

 

今ほど高齢期が長くなかった時代は、ある程度貯金があればのんびり暮らすことができたと岡本さん。

しかし、長寿化が進む現代、高齢期の健康寿命を延ばすには、ライフステージに合った住まいへの住み替えや生活資金のために必要な資金の確保が重要です。

 

住み替えるきっかけについて話す岡本さん

 

特に注意が必要なのが、郊外の1戸建てに住んでいる夫婦です。

子どもが独立した後もその場所に住み続け、万が一病気やケガで歩けなくなったり、寝たきりになったりしてしまうと、その後は介護施設に入るという選択肢しかありません。

 

住み替えを想定していないと、いざというときに資金不足に陥り、入居する施設を探すことすら難しくなってしまいます。

 

車を利用しないと買い物にも行けないような条件の良くない場所に住んでいる方は、住み替えを検討する最初のタイミング、子どもが独立したタイミングで条件の良い場所に住み替えを検討できるだけの資金を用意しておくことが理想的です。そのためには、少なくとも40代には、住み替えを含めた老後生活について考えはじめる必要があります」

 

立地条件や環境の良くない場所にお住まいの方は特に、身体が不自由になった場合も想定して、40代から、老後資金の準備など、住み替えについて考え始める必要があるでしょう。

早めの住み替えは、充実したセカンドステージを後押しする

遠くのほうを見る男女

 

高齢期の特徴として、自身の体力や認知力を約10歳若く見積もる傾向があります。

そういった高齢期特有の傾向が、住み替えに必要な正しい判断を鈍らせてしまいます。

 

実年齢を若く見積もっているからこそ、自分にはまだまだ住み替えの必要はないと先延ばしにしてしまいます。後期高齢期になると、住み替えによる環境の変化についていけません。住み替えによって、体調を崩したり病気になってしまう方がたくさんいらっしゃいます。だからこそ、冷静に自分の将来を見据えることができる40代のうちに『現状のまま高齢期に突入したらどうなるか?』を考えることが大切なんです

 

とはいえ、40代のうちに大きな危機感を覚えることは少なく、なかなか動き出せない方も多いとのこと。岡本さんは、そんな方々に自身の親御さんの住み替えに関わることをおすすめします。

 

親の住み替えについて40代くらいの方々が相談に来るんですが、親の話を聞いているうちに自分たちの将来にも危機感を覚えられる方が多いですね。具体的に、こういうリスクがある、だからこういう住まいに早めに住み替えることが重要ですよっていう話をすると、自分たちも心配になってくるんです。そういう方は、『親の住み替えが一段落したら、次は自分たち』という感じで、早い段階で資金の準備や住み替え先探しをはじめる場合が多いですね

 

カメラ目線で写る男女

 

健康寿命を延ばすには、身体が衰える前に、病気やケガのリスクが少なく体力維持、生活能力維持に適した環境に住み替えるのが最適です。

 

そのためには、40代というまだまだ若い時期から、住み替え、老後生活に必要な資金を準備しはじめる必要があります。

 

郊外の1戸建てなど、不便でリスクも大きい環境で暮らしている方は、自身の理想とする老後生活を描き、それに必要な資金準備をはじめましょう。

 

 

 

シニアの暮らし研究所 高齢者住宅アドバイザー 

岡本弘子

 

プロフィール

13年におよぶ入居相談・紹介業務の経験を活かして、新聞・情報誌等の取材や執筆をはじめ、年に200回以上の顧客・機関・事業者等に向けた高齢者住宅セミナーで講演。

「岡本弘子の入居相談室」では、徹底した対面相談で入居者本位の住まい選びをサポートする。(-社)日本住宅相談員協会の代表理事を努めながら、研修講師としてシニア住宅相談員の育成にも注力している。

 

 

資格

消費生活アドバイザー、消費生活専門相談員、福祉住環境コーディネーター、インテリアコーディネーター、コミュニケーション心理アドバイザーなど

 

経歴

1997年~  大手住宅メーカーのCS推進部で生活研究に従事

2002年~  マーケティング会社で生活者視点重視の市場調査・商品開発提案等に関わる。

2004年~  有料老人ホーム等の紹介センターでお客様相談室長として1万件以上の入居相談に対応。

2009年7月 「シニアの暮らし研究所」を創設。

2015年1月 一般社団法人日本シニア住宅相談員協会を設立

 

URL

シニアの暮らし研究所

http://shinia-kurashi.jp/

 

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