空き家問題を解消!家族信託を利用した売却と収益化とは?

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親が高齢になってくると頭をよぎる「空き家問題」。
老化や認知症などによって、マンションに引っ越す、または高齢者施設に移るなど、実家に人が住まなくなると空き家が生まれ、その管理に頭を悩ませることになります。

 

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空き家問題の対処法はさまざまですが、不動産の法律や売買に詳しい廣森司法書士事務所、廣森良平さんがすすめるのは、家族信託を活用した売却と物件の収益化です。

その方法について、廣森さんに詳しくお伺いしました。

実家が空き家に……そのときに生じるデメリットとは?

 

まずは、空き家を持つことでどのようなデメリットが生じるのかについてご紹介します。

廣森さんによると、デメリットは以下の4つ。

 

 

・固定資産税がかかる
・管理費用、管理の手間
・防犯上の問題
・相続人が増えていって、売却する際に相続人全員の許可がないと売れない

 

「固定資産税、定期的な管理コスト、防犯対策など、持っているだけでお金がかかってしまうのが最大の問題です。また、時間が経過するごとに相続人が増えていき、不動産を処分するのに全員の許可が必要になります。反対する人がいれば処分はできませんし、そもそも連絡が取れない方がいるかもしれません。空き家となった実家をそのまま置いておくのは、多くのデメリットを生んでしまうのです」

 

せっかくの財産も、対策を考えずにそのまま放置してしまうと、その価値を十分に活かすことができません。

親から譲り受けた財産を無駄にしないためにも、事前の準備や対策が必要なのです。

 

それでは、家族信託を利用した空き家の収益化とはどのようなものなのでしょうか?

まずは、家族信託という制度の概要について廣森さんにくわしく伺いました。

家族信託ってどんな制度?

 

家族信託は、財産管理の手法のひとつ。家族信託を利用することで、自身の財産を信頼できる家族に託し、財産を任された人物が親の財産を家族のために有意義に利用できるようになります。

この制度の簡単なメリットと仕組みについてご紹介します。

 

「不動産や預貯金などの財産は、認知症にかかると凍結されます。一度凍結された財産は、自由に動かすことができません。しかし、認知症に掛かる前に家族信託を結んでおくことで、当人の財産の管理・処分を息子などに託すことができます。結果、『不動産の処分ができない』『親の口座からお金を引き出すことができない』といった、凍結後の問題に悩まされることなく、親の財産を家族内で有意義に利用することができるのです」

 

相続対策や財産の管理・運用方法として優れている家族信託。

その仕組みは、主に委託者・受益者・受託者という3つの立場によって構成されます。

 

・委託者
財産の管理運用を委託する人。

 

・受託者
財産の管理運営を行う人

 

・受益者
財産から得られる利益を受け取る人

 

委託者と受益者が財産を持つ親となり、管理運営を行う受託者がその親族になるのが一般的です。

息子が受託者として適切でない場合は、甥や孫でも受託者になることができます。

 

実際に契約する際には、専門家を交えて財産の管理運用を行う人(受託者)・信託の目的・信託財産の管理、運用方法・信託の終わらせ方を取り決めます。この他、受益者代理人や受託者を監視するために信託監督人、受託者に信託財産の管理・処分に関して指図する指図権者を選ぶことができます。

また、信託の終わらせ方として親の死後、誰にどのように財産を分配するかを決めておくことで、財産分与をスムーズにすすめることができます。

 

契約を行うタイミングは、親が認知症にかかる前。まだまだ元気なうちに信託契約を結んでおくことで、認知症にかかった後でも財産を有意義に利用することができます。

収益化と相続税対策として

 

実家が空き家となる前に家族信託を結んでおくことで、受託者の判断によって物件を売却、または処分することができます。ここで注意したいのが、相続税に関して。

 

「現金の場合、その金額そのものが相続評価額となるため、その金額に対して100%課税されます。しかし、不動産の場合、購入金額よりも安い路線価・固定資産税評価額に対して課税され、相続税がぐっと抑えられるのです

 

さらに、その物件を第三者に賃貸していた場合、借地権割合、借家権割合によって評価がさらに下がります。現金を不動産に替え、さらに賃貸など収益物件とすることで、大幅な節税が可能となるのです。

 

親が残してくれた財産、それを現金のまま置いておくと相続税がかかるのはもちろん、時代が変わると価値が目減りしていきます。それを防ぐ方法が現金を不動産に替え、さらに収益化すること。収益物件に変えることで、そこで得た利益を親の老後資金として利用することができます。

 

このような財産の管理・処分を行うには、財産を親族が親族の判断で動かすことができるのが前提となります。家族信託で財産の管理・処分を親族に任すことで、売却・収益化など有益な活用が行えるのです。

家族信託で財産の有効活用をスムーズに

 

廣森さんの事務所では、空き家や相続に関する相談を受ける中で、家族信託の活用と財産の収益物件化を提案する機会が増えてきたとのこと。

 

「既に実家が空き家になっており、親御さんが認知症になりかけているという方に家族信託を活用した方法を提案しています。家族信託を利用することで、認知症にかかった後も財産を親族に託し、売却・その後の運用を親族主導で行えます。空き家対策・相続対策として効果的な制度であると感じています」

 

高齢化がすすむ現代社会において、空き家や相続に関わる問題は今後も増え続けることが予想されます。

財産を家族内で有意義に利用するための制度として、家族信託は今後より多くの人に利用されるようになるでしょう。

 

また税制改正によって、これまで相続税があまりかからなかった人の税の負担が増えています。空き家の売却・収益物件化は、財産の節税対策としても今後さらに有効になっていくはずです。

高齢期に差し掛かる親を持つ方、今回ご紹介した家族信託の活用と収益物件を利用した節税対策に関して、一度検討してみてはいかがでしょうか?

 

 

 

廣森司法書士事務所
代表 廣森良平

<プロフィール>
開業13年、1,500件以上の相談実績を誇る司法書士事務所。司法書士として活躍する以前は不動産業界で営業を経験。不動産関連の豊富な経験と知識を背景に、民事信託、相続、成年後見に関連した不動産法律・不動産売買を得意としている。家族信託専門士の資格を保持しており、家族信託に関連する相談にも強みを持っている。

http://hiromori-suita.com/

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