岡本弘子さん

健やかなシニアライフを過ごすためのマンション選びのコツ

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近年、ニーズがどんどん高まりつつある高齢者の「住み替え」。

今の住居からライフステージに合ったマンションへ、より健やかな生活を求めて住み替えを検討する方が増えています。

 

高齢者の住み替えニーズが高まっている要因は何なのか?

住み替えを成功させるにはどのようなポイントに注意すればよいのか?

 

これまで、1万件以上の相談を受けてきた、シニアライフの専門家「シニアの暮らし研究所」代表、高齢者住宅アドバイザーの岡本弘子さんに、住み替えの現状とマンション選びのコツについて詳しく伺いました。

アクティブシニアが増えている今、セカンドステージをどう送るか

高齢のご夫婦

 

高齢者の現状について、「長寿化によって、60代以降の高齢期が長くなっている」と語る岡本さん。

2016年の厚生労働省の発表によると、2015年の日本の平均寿命は、男性80.79歳、女性87.5歳。今後も平均寿命は伸び続けることが予想されており、60代からの平均余命は30年~40年になるといわれています。

 

戦後に生まれた団塊の世代が高齢期に差し掛かり、60代(アクティブシニア)が増加した今、30~40年にも及ぶセカンドステージをどう過ごすかが、この世代の方々にとって大きな課題となっているのです。

 

そんな高齢期の方々にとって、大きな不安要素となっているのが資金の問題。年金が先細る中で、これからの生活を不安に思う方が増えています。

長寿化による資金への不安は、住み替えの考え方にも大きな影響を与えていると岡本さん。

 

かつての住み替えは、高額な一時金を支払ってホームや高齢者住宅に入居するというものがメインでした。しかし現在は、賃貸、分譲など住宅のタイプで選び、できるかぎり自分たちの資金を手元に残しておきたいと考える方が増えています」。

 

また「高齢者の孤立化」も、住み替えニーズを高めている要因のひとつ。

 

岡本弘子さんインタビュー

 

子どもが独立してしまい、高齢者のみで生活している世帯が多いのが現状です。周りに頼れる若い人がいない状況の中で、日常生活の安心と安全を求めて、家族で暮らしていた広い1戸建てやマンションから、コンパクトで利便性の高いマンションに移りたいという相談が増えています」。

 

年金の先細りや孤立化から来る将来への不安。

長期化する高齢期を健やかに暮らすには、さまざまな観点から自身の生活を客観視し、ライフプランを設計する必要があると岡本さん。

 

セカンドステージをよりよいものにするためには、何を判断基準にどのような住環境を選ぶべきなのか?

岡本さんの考えを伺いました。

老後生活に必要な条件とは

家族イメージ

 

岡本さんによると、高齢期の健康を左右するのは「持って生まれた遺伝子と50代以降の生活環境・生活習慣」。

比率は、遺伝子が2割・生活環境と生活習慣が8割と、高齢期の健やかな健康には、生活環境と生活習慣が非常に重要であることがわかります。

 

住環境の変化は、その人の「生活環境」すべてに関わる大きな問題。

だからこそ、住み替えを検討する際には、しっかりとした判断基準を持って住む場所を選ぶ必要があるのだといいます。

 

生活環境と生活習慣が長寿を作るという根拠のもと、生活環境を整えるためのアドバイスをさせていただいています。老後に必要な条件として5項目を上げて、それらの総合点でその人にあった生活環境を一緒に考えていくということを行っています」。

 

この5項目を評価することで、住み替えるべきか否か、住み替えるならいつどのような形態を選ぶべきかを判断することができます。

 

グラフ

 

それぞれを5段階で評価し、上の図のようなグラフを作成します。

将来的な介護生活なども見据えながら判断することで、今の住居に何が足りていないのかを確認することができるのです。

 

環境要素かご自身の事情要素、その兼ね合いを見ながら、アドバイスを行うという感じですね。(④家族事情⑤資金状況)が高くて(①自宅形態)が低い場合は、住み替えではなくて自宅のリフォームをおすすめするかもしれませんし、(②生活環境③医療・介護環境)が低い場合は、リフォームではなくて、より利便性の高い場所への住み替えることをおすすめします。この5項目を総合的に見ることで、1人ひとりに合った住み替えの提案が可能になるんです」。

 

安全な住まいで、暮らしやすい立地、病院や介護事業者が複数ある場所、つまり①②③が満たされた環境であれば、1人でも暮らし続けやすいといいます。

ご自身の現状の生活が可視化されることで、生活環境を整えるために必要な要素を知ることができるのです。

 

また、この5つの条件に住まい選びの3つのポイントを加えると、セカンドステージに適した住居形態を絞ることもできると岡本さん。

総合評価から考えて、最もメリットが多いのは駅近の分譲マンション。

 

そこには、どのような要因があるのでしょうか?

住まい選びのポイント

積み木の家

 

岡本さんが、駅近の分譲マンションが最適だと考えるのは、老後生活に必要な3つの要素をバランスよく兼ね備えているから。

 

アクティブシニアが住まいを選ぶ上で注意したいポイントは「立地・環境、建物形態・権利形態」の3つ。

それぞれの内容を見てみましょう。

 

立地・環境

スーパー、医療機関、役所などの施設が徒歩5分以内にあるのが理想的。10分以上になると、徒歩での移動は体力的にきびしく、引きこもりがちになってしまう可能性が高い。

 

集合住宅

バリアフリー設計が施されていることが多く、セキュリティも豊富。近年のハイクラスマンションは、多くの高齢者が移り住んでおり、独居でも近隣との交流が持ちやすい。また、他世代との交流も生まれるなど、人とのつながりを実感できる環境。

 

・権利形態

初期費用はかかるが、分譲マンションを選ぶことで持ち家という資産を持てる。子どもへの相続や介護施設に住み替えるようなことがあれば、売却益で住み替えが可能。

 

資金を手放すのに不安があるという現代の傾向と、今後徐々に心身が衰えてくる高齢期において、駅近分譲マンションはメリットが豊富な物件であるとのこと。

 

岡本さんは、アクティブシニアに駅近分譲マンションへの住み替えを提案する際に「2段階で住み替える」という表現を使って、そのメリットを説明するといいます。

 

岡本弘子さんインタビュー2

 

健康長寿を実現するには生活環境をできるかぎり早めに整えておくことがベストです。介護が進行した際には、売却して次の住み替えの資金にすることができますし、健康であれば、そのまま最期までということも可能です。手元に資産を置きながら、まずは生活環境の安心・安全・快適を整える、将来必要になれば施設に移るという、2段階で住み替えを考えることが大切なんです

 

さらに、近くに家族が住んでいるのが理想の形だと岡本さん。

環境的に恵まれているとはいえ病気、ケガ、災害など、緊急事態に頼れるのはやはり家族です。

何かあったら家族がすぐに駆けつけてもらえる環境は、精神的な安心感を与えます。

 

生活環境の整った駅近の分譲マンションには、セカンドステージを健やかに過ごすためのメリットが豊富であるということ、また、同じ地域内に家族がいる物件を選ぶことで、精神的にも安定するということを覚えておきましょう。

 

将来の介護を見据えて

お年寄りと若者

 

最期まで住み慣れた地域で暮らし続けてもらうために、地域包括ケアシステムを構築する」という方針を国が打ち出し、すでに取り組みがスタートしています。

 

徒歩30分以内の日常生活圏域(中学区)を単位として、システムとサービスの構築が進んでおり、2025年を目処にサービス提供体制を整えることを目指しています。

岡本さんによると、このサービスのメリットを受けるには、分譲マンションのような集合住宅が最適だとのこと。

 

家と家が離れた地域では、移動などに時間がかかり効率的にサービスを提供することが難しくなります。それに比べると集合住宅は、住居と住居が隣り合っているため、効率的にサービスを受けることができるんです

 

高額な資金が必要な施設に比べると、住み慣れた住居・地域でサービスを受けられることのメリットはとても大きなもの。

上手にサービスを使えば資金面での負担も少なくなります。

 

将来の介護を見据えたとき、地域包括ケアシステムのメリットを受けやすい物件を選ぶということも、セカンドライフを充実させる上で大切な要素になってくるのではないでしょうか?

 

笑顔のご夫婦

 

長寿化による資金の不安、孤立化、将来的な介護のリスク。

分譲マンションには、セカンドステージのさまざまな悩みを払拭するメリットがあります。

 

住み替えを検討中の方は「駅近の分譲マンション」を選択肢に加えて、自分たちにとって最適なセカンドライフを考えてみましょう。

 

 

 

■インフルエンサー

シニアの暮らし研究所 高齢者住宅アドバイザー 岡本弘子

 

<プロフィール>

1万件以上の入居相談・紹介業務の経験を活かして、新聞・情報誌等の取材や執筆をはじめ、年に200回以上の顧客・機関・事業者等に向けた高齢者住宅セミナーで講演。

「岡本弘子の入居相談室」では、徹底した対面相談で入居者本位の住まい選びをサポートする。(-社)日本住宅相談員協会の代表理事を努めながら、研究講師としてシニア住宅相談員の育成にも注力している。

 

<資格>

消費生活アドバイザー

消費生活専門相談員

福祉住環境コーディネーター

インテリアコーディネーター

コミュニケーション心理アドバイザーなど

 

<経歴>

1997年~  大手住宅メーカーのCS推進部で生活研究に従事

2002年~  マーケティング会社で生活者視点重視の市場調査・商品開発提案等に関わる。

2004年~  有料老人ホーム等の紹介センターでお客様相談室長として1万件以上の入居相談に対応。

2009年7月 「シニアの暮らし研究所」を創設。

2015年1月 一般社団法人日本シニア住宅相談員協会を設立

 

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