マンションの管理組合に支払う「管理費」を正しく理解しよう

  • Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

市街地でマンションを購入すると、住宅ローンのほか、固定資産税や都市計画税の負担も発生します。あと、必ず考慮しておかなければならないのが管理組合に支払う諸費用

 

今回は管理組合に支払う諸費用を整理し、その諸費用に関するルールを確認しましょう。

概ね毎月消費される「管理費」。「修繕積立金」との違い

毎月の管理に係る費用を手当てするための費用が「管理費」です。標準管理規約第27条では、管理費は以下の支出に充てることができる旨が定められています。

 

・管理員人件費
・公租公課
・共用設備の保守維持費及び運転費
・備品費、通信費その他の事務費
・共用部分等に係る火災保険料その他の損害保険料
・経常的な補修費
・清掃費、消毒費及びごみ処理費
・委託業務費
・専門的知識を有する者の活用に要する費用
・地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成に要する費用
・管理組合の運営に要する費用
・その他敷地及び共用部分等の通常の管理に要する費用

 

マンション管理会社と業務委託契約を締結しているマンションが大多数ですが、その委託契約に含まれる管理人の人件費、清掃費用、設備の保守点検費用、会計業務なども管理費から手当てしています。毎月集めた管理費は、概ね毎月消費されます。

 

一方、「修繕積立金」は特別の管理に要する経費に限り取り崩すことができます。標準管理規約第28条では以下の支出に充てることができる旨が定められています。

 

・一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
・不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
・敷地及び共用部分等の変更
・その他敷地および共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理
・建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査

 

長期修繕計画に基づく大規模修繕の実施にあたり、不足する場合には、一時金を徴収することもできますが、集会の決議に基づき、必要な資金を借り入れることもできます。ちなみに、借入金の返済に充てる財源は管理費ではなく、修繕積立金となります。

 

管理費と修繕積立金の額は、通常、専有部分の床面積割合に応じて決まるため、面積が大きい住戸の所有者の費用は相対的に多くなり、反対に面積が小さい住戸の所有者の費用は相対的に少なくなります。なお、管理費と修繕積立金は区分して経理しなければなりません。

駐車場・駐輪場やルーフバルコニーの使用料を管理費に充当するマンションも

また、自動車の駐車場、自転車の駐輪場、バイク置場を使用する場合は、毎月(自転車は毎年)使用料を管理組合に納付します。通常、周囲の駐車場に比べて安く設定されていることがほとんど。自走式駐車場と機械式駐車場とを比較すると、一般に自走式駐車場の方が使用料は高く、機械式駐車場は出庫しにくいパレットほど使用料が安くなります。

 

なお、郊外に立地するマンションでは駐車場使用料が無料のところもありますが、将来の長期修繕計画に向けて資金を準備したい管理組合としては、適切な水準の駐車料金を徴収した方が財務の健全性を維持しやすいといえるでしょう。

 

さらに、1階の専用庭やルーフバルコニーなどは使用料が必要となる場合もあります。

 

これらの「使用料」は、それぞれの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる旨が標準管理規約に規定されていますが、管理費に充当されているマンションも少なくありません。

滞納者が増えれば資産価値低下も。費用負担や滞納状況は必ずチェック

なお、組合員が管理費などを期日までに納付しない場合、管理組合は、未払金額について遅延損害金と違約金としての弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用を加算して、組合員に請求できます。また、管理費や修繕積立金を未払いのまま、前所有者が売ったり、死亡したりした場合、管理組合は、買主や相続人に対して、未払いの管理費や修繕積立金を請求できることになっています。

 

マンションの所有者である限り管理組合の一員であり、管理費や修繕積立金の負担が発生することはもちろんのこと、管理費などの滞納者が増えるにつれて、マンションの資産価値低下といった悪影響を受けることは避けられません。

 

現在、住んでいるマンションや、購入検討中のマンションの費用負担や滞納状況は必ずチェックしましょう。

 

筆者:益山真一/ファイナンシャル・プランナー
「3大資金(住宅・教育・老後)」を効率的に手当てし、ライフプランを実現するための家計管理を提案するファイナンシャル・プランナーとして、セミナー・執筆、相談を展開。仕事の目標は、お客様の「心、体、お金、時間、仕事」のバランスの改善による幸せ実現。セミナーは平成28年12月末時点で累計2,557回を数える。■HP:http://www.fp-masuyama.com/

  • Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加